2004 Fiscal Year Annual Research Report
牧草糖含量の変動に対応した高品質サイレージ調製技術の確立
Project/Area Number |
15580238
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
増子 孝義 東京農業大学, 生物産業学部, 教授 (50123063)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蔡 義民 畜産草地研究所, 家畜生産管理部, 室長 (80355114)
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Keywords | 糖含量 / WSC / 添加剤 / 刈り取り時間 / 糖組成 / 発酵品質 / 予乾 / チモシー |
Research Abstract |
平成16年度は申請書に記載した研究実施計画通り、1)糖含量の少ない材料牧草から調製されるサイレージ発酵品質改善効果、2)刈り取り時間を変えた材料牧草から調製されるサイレージ発酵品質評価について実験を行った。それぞれの研究成果は以下の通りである。 1)北海道網走市能取の酪農家からチモシーとアカクローバ混播1番草と2番草を高水分、中水分に調整して供試した。糖含量は1番草高水分が乾物中1.6%、中水分が1.5%、2番草高水分が5.1%、中水分が5.8%であった。これらにギ酸、ギ酸アンモニア、プロピオン酸、クエン酸などの化学製剤、ビタコーゲン、乳酸菌11A44、酵素入り乳酸菌アクレモなどの微生物製剤を添加して発酵品質改善効果を調べた。 糖含量の少ない1番草高水分と中水分に微生物製剤を添加したすべてのサイレージにおいて発酵品質の改善がみられず、化学製剤のうちギ酸とギ酸アンモニアを添加したサイレージのみ発酵品質が改善され、有意差が認められた。糖含量が乾物中5%であった2番草高水分と中水分は無添加区の発酵品質が良質であったため、添加剤の種類にかかわらず良質であったが、アクレモの発酵品質改善効果は高かった。 2)北海道根室管内4地域の酪農家5戸の牧草地からチモシー1番草を8:00と15:00に刈り取って供試した。8:00に刈り取ったチモシーは13:00まで5時間、15:00に刈り取ったものは翌朝の9:00まで18時間の予乾を行い、無添加と乳酸菌11F25添加区を設けてサイレージを調製した。8:00と15:00刈り取りを比較するとすべての地域で15:00の糖含量が高く、その差は平均乾物中2.9%であった。増加したのはスクロースとフルクトースであった。それぞれを予乾すると、糖含量は減少したが、8:00→13:00予乾の減少率は0.5%と低く、15:00→9:00予乾の減少率は42.9%と高かった。予乾中にはフルクトース、グルコース、スクロースがほぼ均等に減少した。 8:00→13:00予乾、15:00→9:00予乾すべての無添加区の発酵品質は劣質になった。糖含量の高い材料牧草があったにもかかわらず劣質になった原因は、付着乳酸菌数が少なかったためである。乳酸菌添加により発酵品質が改善されたものとされなかったものに分類できた。改善されたものは材料牧草の糖含量が乾物中5.5〜11.8%、改善されなかったものは乾物中3.0〜4.5%であった。8:00→13:00予乾、15:00→9:00予乾にかかわらず糖含量が乾物中5%程度より低い場合、乳酸菌を添加しても改善効果が十分に現れなかった。
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Research Products
(1 results)