2004 Fiscal Year Annual Research Report
ルーメン細菌における亜硝酸環元酵素合成の調節機構の解明とその制御
Project/Area Number |
15580240
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
日野 常男 明治大学, 農学部, 教授 (50012050)
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Keywords | 反芻動物 / ルーメン微生物 / 硝酸・亜硝酸還元 / Selenomonas ruminantium / メタン生成 |
Research Abstract |
ルーメン微生物混合培養系に硝酸とエタノールを添加したところ、硝酸・亜硝酸還元が促進され、特に亜硝酸の還元が大きく促進されたため、亜硝酸の蓄積が低下した。しかし、既知の硝酸還元ルーメン菌は、エタノールを硝酸還元反応の電子供与体として直接利用することができなかった。しかし、硝酸とエタノールの存在下で3種の硝酸還元菌とエタノール利用能をもつH_2生成菌を共培養した場合には、硝酸および亜硝酸が還元された。従って、エタノール利用菌がエタノールから生成したH_2を硝酸還元菌が利用して硝酸・亜硝酸を還元したと考えられ、反芻動物にエタノールを給与すれば、硝酸中毒の防止に有効と思われる。また、適当量のエタノールと硝酸を反芻動物に給与すれば、大きな発酵低下を招かないでメタン生成を抑制できる可能性がある。 亜硝酸還元能をもつ菌として、Streptococcus属の菌が分離されたので、その菌の同定を行なっているが、まだ確定していない。またその菌の発酵制御機構としてglobal catabolite control protein A (CcpA)およびfructoSe-1, 6-bisphosphateの重要性、それに増殖制御機構としてLuxS autoinducer 2の存在を示した。 なお、Selenomonas ruminantiumの亜硝酸還元酵素を精製し、その遺伝子のクローニングを行うことを目指しているが、本酵素は極めて失活し易く、まだ精製に至っていない。また、本菌の本酵素は極めて特殊のようで、他菌の酵素遺伝子構造に基づいた遺伝子検索はまだ成功していない。
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Research Products
(9 results)