2003 Fiscal Year Annual Research Report
土着の土壌動物および土壌微生物を利用した堆肥の製造およびその効果
Project/Area Number |
15580242
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Research Institution | Miyagi Agricultural College |
Principal Investigator |
大竹 秀男 宮城県農業短期大学, 畜産科, 助教授 (20191942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 達志 宮城県農業短期大学, 畜産科, 講師 (20264351)
遠藤 征彦 宮城県農業短期大学, 園芸科, 教授 (00341727)
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Keywords | 虫堆肥 / 土壌動物 / 有機廃棄物資材 / 畜糞 / 撹拌間隔 / ササラダニ類 / ソルガム / オーチャードグラス |
Research Abstract |
1、牛糞、鹿糞、豚糞および鶏の糞尿に有機廃棄物資材としての木材チップを混合し、2年前に作製した虫堆肥を混入した。混合した材料を45 1容ポリバケツに入れ、2〜3日間隔で撹拌する区(短区)と1ヶ月間隔で撹拌する区(長区)とを設け、3ヶ月間試験を行った。チップ混入によるアンモニアの消臭効果は、牛糞と鹿糞で顕著に認められた。堆肥温度は最高で40℃程度までしか上昇しなかったが、微生物数は一般的な堆肥と同程度まで増加した。土壌動物個体数は長区の方が短区より多く、そのほとんどはダニ類、特にコナダニ類(主にヒポプス)とトゲダニ類で占められていた。しかし、糞種によりその構成はかなり異なっていた。難分解性有機物として、セルロース、ヘミセルロースおよびリグニンについて分析したが、それらの合計含有率は牛堆肥>豚堆肥>鹿堆肥≒鶏堆肥の順であった。C/N比は豚堆肥で約25と完熟堆肥に近い値を示したが、牛堆肥では50以上、鹿と鶏堆肥では30〜35と高かった。難分解性有機物およびC/N比の短区と長区との差は小さかった。 2、虫堆肥と市販堆肥を施用し、ソルガム(ポット試験)とオーチャードグラス(圃場試験)の生育および土壌動物相について調査した。作物の生育については、虫堆肥と市販堆肥との間に差異は認められなかった。虫堆肥中には多くの土壌動物を含んでいたが、ソルガムを栽培したポット中の土壌動物相は、虫堆肥と市販堆肥とで差はほとんど認められなかった。一方、オーチャードグラスを播種した圃場の土壌動物個体数は虫堆肥区で多い傾向を示した。しかし、ササラダニ種数およびその多様性は、処理区間に顕著な差は認められなかった。土壌成分についても、処理区間に顕著な差は認められなかった。
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