2004 Fiscal Year Annual Research Report
土着の土壌動物および土壌微生物を利用した堆肥の製造およびその効果
Project/Area Number |
15580242
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Research Institution | Miyagi Agricultural College |
Principal Investigator |
大竹 秀男 宮城県農業短期大学, 畜産科, 助教授 (20191942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 征彦 宮城県農業短期大学, 園芸科, 教授 (00341727)
井上 達志 宮城県農業短期大学, 畜産科, 助教授 (20264351)
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Keywords | 虫堆肥 / 土壌動物 / ダニ類 / センチュウ / 松枯れ / トビムシ類 / レタス / 土壌微生物 |
Research Abstract |
1,野菜に対する虫堆肥の施用効果:市販されているバーク系堆肥を約2ヵ月間林内に放置して、約1週間間隔で攪拌し土壌動物を調査した結果、個体数は5週目から6週目にピークとなり、その後減少した。その構成は、ダニ類が90%以上を占めトビムシ類の増加は認められなかった。この堆肥を虫堆肥とし、虫堆肥多施用区、少施用区、基堆肥多施用区、少施用区、腐葉土区および化学肥料区を設け、その圃場にレタスを移植した。土壌動物とセンチュウの移植前と収穫後の個体数の関係をみると、土壌動物個体数の増加した区ほどセンチュウ個体数は少なくなり、その相関係数は0.695と高かった。また、虫堆肥や腐葉土を施用した区の方が、基堆肥より土壌動物が多く、センチュウは少ない傾向が認められた。レタスについては、まれにみる猛暑の年となったため、抽だい率が高く収量調査までは到らなかった。しかし、各区に残された非抽だい株調査の比較では、堆肥等有機物施用の効果は認められ、施用量の多い方が勝る傾向を示し、虫堆肥がやや勝る傾向を示した。土壌成分については、カルシウム含量が堆肥施用区で高い傾向を示したが、窒素、リン酸、カリウム含量は調査区間に顕著な差は認められなかった。 2,樹木に対する堆肥の施用効果:樹勢の衰えた松に堆肥を施用し、その後の松の葉や樹皮の状態、土壌動物、土壌微生物、樹木内のセンチュウ、クロロフィルについて調査した。その結果、クロロフィル含量および葉や樹皮の状態には処理区間に差は認められなかったが、堆肥を施用した区のセンチュウ個体数は若干少ない傾向を示した。土壌動物についても、畑地ほどの差は堆肥の施用により生じなかった。しかし、土壌微生物の内、放線菌と細菌数は堆肥施用区で多くなる傾向が認められた。
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