2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15580255
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
遠矢 幸伸 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (20180119)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
望月 雅美 共立製薬株式会社, 臨床微生物研究所, 所長(研究職)
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Keywords | イヌ / ネコ / パルボウイルス / 宿主域 / 進化 / 変異 / モノクローナル抗体 / 病原性 |
Research Abstract |
本研究計画ではイヌやネコなどの食肉類動物を宿主とするパルボウイルスの進化(変異)を明らかにするとともに、新しい宿主動物へ感染・増殖する能力を獲得する機構を解明することを目的とする。具体的には研究代表者らがベトナムでヤマネコ並びにイエネコから分離したパルボウイルスを主に用いて、以下の項目を追求することにより行われる。1)ベトナム株の全塩基配列の決定による変異部位の同定2)感染性DNAのクローン化と部位特異的変異導入ウイルスとキメラウイルスの作製およびin vitro宿主域の解析3)モノクローナル抗体による抗原性の解析4)in vivoにおける増殖性と病原性の解析 本年度は新たにベトナムのイヌ及びイエネコからウイルスを分離し、主に前年度に作製した新しいモノクローナル抗体との反応性を検討して以下の成績を得た。 1)ベトナムのハノイ、ホーチミン両市近郊のイヌおよびネコ由来直腸スワブサンプル126サンプルからCanine Parvovirus(CPV)の分離を試み、イヌ由来8株並びにネコ由来1株の計9株を分離した。 2)モノクローナル抗体との反応性により、分離株の内ネコ由来株を含む8株はCPV-2b型と判定されたが、ハノイ市のイヌから分離されたHNI-4-1株は2つのモノクローナル抗体に対する反応性が顕著に低下していた。 3)HNI-4-1株のVP2遺伝子を解析したところ、426番目のアミノ酸に置換が認められ、HNI-4-1株は本アミノ酸の置換に起因する新しい抗原変異株であると考えられた。 本年度の研究により、CPVが現在も抗原性の変化を含む変異により進化を続けていることが示された。
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Research Products
(1 results)