2003 Fiscal Year Annual Research Report
浚渫汚泥の植栽土および農用培養土としての有効利用への挑戦
Project/Area Number |
15580299
|
Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
福元 康文 高知大学, 農学部, 助教授 (80036748)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島崎 一彦 高知大学, 農学部, 助教授 (20196471)
吉田 徹志 高知大学, 農学部, 教授 (10145112)
|
Keywords | 都市汚泥 / 製紙汚泥 / ダム湖底堆堆積土 / 建設発生土 / 水質改善 / 環境 / 生育改善 / 野菜 |
Research Abstract |
高度経済成長期における大量生産・消費は、多量の廃棄物を生み出し、多くの環境悪化を誘発してきた。なかでも、生活廃水や工場廃水などは河川・湖沼の水質汚濁と、汚泥の堆積をもたらした。近年、河川湖沼の水質悪化が問題となり環境規制も強化されてきている。水質改善のために堆積した汚泥を取り除いて改善が図られることが多々あるが、浚渫される汚泥の処理方法及び再利用方法が問題となっている。そこで、河川より浚渫された汚泥の植栽培養土としての利用の可能性について検討した。また河川より浚渫された汚泥に加え、道路建設で発生する建設発生土及びダム湖底堆積土の野菜の植栽培養土としての利用について検討し、以下の結果が得られた。 1.供試した都市型汚泥、製紙汚泥、ダム堆積土、建設発生土は、農用地土壌保全のための環境基準値以下であり、農用培養土として用いてもなんら問題ないことが明らかとなった。 2.供試汚泥は畑土壌に比べ土壌病原菌が極端に少なく、土壌消毒の必要性はないと考えられた。また土壌養分の極端な集積は認められなかった。 3.製紙汚泥は他の汚泥と異なり、植物の生育を抑制したてので、抑制の原因解明とその対策が今後の課題として残った。 4.ダム湖底堆積土は単独でキュウリの培養土として利用しても、生育は順調であったが、保肥性にかけたので、土質の改善を図るか、施肥法の改善とともに追肥の利用を考慮にいれる必要がある。 5.採取場所の異なる汚泥は、その利用には十分な注意を要するが、土壌としての化学的特性をよく把握し、再利用の促進化が望まれる。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] 福元康文, 西村安代, 島崎一彦: "セラミック資材による水質浄化に関する研究"植物工場学会誌. 15・3. 135-139 (2003)
-
[Publications] 福元康文, 西村安代, 島崎一彦, 吉田徹志: "キュウリとカボチャにおけるケイ酸の吸収特性"日本土壌肥料学雑誌. 74・4. 511-513 (2003)
-
[Publications] 福元康文, 西村安代, 島崎一彦: "ピーマンの結実・肥大に関する研究(第5報)着果と温度の組み合わせが花の発達と体内成分に及ぼす影響"生物環境調節. 41・3. 249-256 (2003)
-
[Publications] 福元康文, 西村安代, 島崎一彦: "循環式養液栽培における温室メロン(Cucumis melo L.)の着果に伴う葉内および果実内無機成分の変化"生物環境調節. 41・3. 279-288 (2003)
-
[Publications] 福元康文, 西村安代, 島崎一彦: "'しらゆき'メロンの性表現に及ぼすエセフォンの影響-主茎節の両性花分化について-"農業生産技術管理学会誌. 10・2. 89-97 (2003)
-
[Publications] 福元康文, 西村安代, 島崎一彦, 藤本友紀: "イチゴの生育,収量および無機成分に及ぼすの根圏温度の影響"農業生産技術管理学会誌. 10.2. 99-106 (2003)
-
[Publications] 福元康文: "海洋深層水"農業技術体系(土壌施肥編). 追録15号. 6 (2004)