2004 Fiscal Year Annual Research Report
光学活性なナノメートルスケール超分子カプセルの構築と不斉認識及び不斉合成への展開
Project/Area Number |
15590008
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
青木 伸 東京理科大学, 薬学部, 教授 (00222472)
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Keywords | 超分子 / サイクレン / 不斉 / 光学活性 / ナノメートルスケール |
Research Abstract |
亜鉛(II)-12員環テトラアミン([12]aneN^・_4またはサイクレン)錯体は中性水溶液中で種々のアニオン(X^-)と複合体を生成する。これまでに申請者は、三核亜鉛(II)錯体とトリチオシアヌル酸トリアニオン(TCA^<3->)の4対4自己集積(S^-Zn^<2+>配位結合に基づく)によって、中性pH水溶液中でナノメートルスケール(1nm=10^<-9>m)の超分子を構築することに成功した。 そこで本研究は、不斉炭素を導入した多核金属錯体とポリアニオン(TCA^<3->など)との自己集積によって光学活性なナノメートルスケール超分子カプセルを構築し、水溶液中での不斉認識、不斉合成へ展開することを目的としている。 本研究が対象とする超分子は、亜鉛(II)錯体とアニオンユニットを水に溶かすだけで自動的に組み上がり、水溶液のpHで構造を制御できるシステムである。溶液中における超分子自身と内部空間の特性、包接の分子機構、包接されたゲスト分子の物性の定量的な評価が可能である。水に溶けにくい薬物などを水に可溶化し、ターゲット細胞に送り込む薬物輸送カプセルとしても期待できる。 平成16年度は、光学活性なナノスケール超分子のキラルユニットとして、不斉12員環テトラアミンの合成を行った。L-アラニンを還元してL-アラニノールとし、光延反応によってキラルアジリジン化合物を得た。これをTsOH触媒存在下で加熱したところ、4分子のアジリジンが開きながら4つのメチルが導入されたキラル12員環テトラアミンが得られた。現在、この化合物の窒素原子の保護および三核亜鉛錯体への変換を検討中である。 一方、三核カドミウム(II)錯体を合成し、TCA^<3->との4対4自己集積によるかご型超分子カプセルの合成にも成功し、亜鉛錯体から生成する超分子よりも安定であることを明らかにした。
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Research Products
(4 results)