2005 Fiscal Year Annual Research Report
光学活性なナノメートルスケール超分子カプセルの構築と不斉認識及び不斉合成への展開
Project/Area Number |
15590008
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
青木 伸 東京理科大学, 薬学部, 教授 (00222472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 泰之 東京理科大学, 薬学部, 助手 (10385552)
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Keywords | 起分子 / サイクレン / 不斉 / 光学活性 / ナノメートルスケール |
Research Abstract |
亜鉛(II)-12員環テトラアミン([12]aneN_4またはサイクレン)錯体は中性水溶液中で種々のアニオン(X^-)と複合体を生成する。これまでに申請者は、三核亜鉛(II)錯体とトリチオシアヌル酸トリアニオン(TCA^<3->)の4対4自己集積(S^--Zn^<2+>配位結合に基づく)によって、中性pH水溶液中でナノメートルスケール(1nm=10^<-9>m)の起分子を構築することに成功した。 そこで本研究は、不斉炭素を導入した多核金属錯体とポリアニオン(TCA^<3->など)との自己集積によって光学活性なナノメートルスケール超分子カプセルを構築し、水溶液中での不斉認識、不斉合成へ展開することを目的としている。 本研究が対象とする超分子は、亜鉛(II)錯体とアニオンユニットを水に溶かすだけで自動的に組み上がり、水溶液のpHで構造を制御できるシステムである。溶液中における超分子自身と内部空間の特性、包接の分子機構、包接されたゲスト分子の物性の定量的な評価が可能である。水に溶けにくい薬物などを水に可容化し、ターゲット細胞に送り込む薬物輸送カプセルとしても期待できる。 平成16年度は、光学活性なナノスケール超分子のキラルユニットとして、不斉12員環テトラアミンの合成を行った。L-アラニンを還元してL-アラニノールとし、光延反応によってキラルアジリジン化合物を得た。これをTsOH触媒存在下で加熱したところ、4分子のアジリジンが開きながら4つのメチルが導入されたキラル12員環テトラアミン((S,S,S,S)-2,5,8,11-tetramethyl-1,4,7,10-tetraazacyclododecane)が得られた。さらに、この化合物がもつ4つの窒素原子のうち3つをBoc基で保護し、((S,S,S,S)-2,5,8,11-tetramethyl1,4,7-tris(tert-butyloxycarbonyl)-1,4,7,10-tetraazacyclo dodecane)を得た。現在、1,3,5-tris(bromomethyl)benzeneとの反応、引き続き脱保護、三核亜鉛錯体の合成を検討中である。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] A Luminescence Sensor of Inositol 1,4,5-Triphosphate and Its Model Compound by Ruthenium-Templated Assembly of a Bis(Zn2+ -Cyclen) Complex Having a 2,2'-Bipyridyl Linker (Cyclen=1,4,7,10-Tetraazacyclododecane).2005
Author(s)
S.Aoki, M.Zulkefeli, M.Kohsako, M.Shiro, K.Takeda, E.Kimura
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Journal Title
J.Am.Chem.Soc. 126・41
Pages: 489-497
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