2004 Fiscal Year Annual Research Report
相補的塩基対間の水素結合形成を検出するスピンラベル化ヌクレオシドの開発
Project/Area Number |
15590012
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
麻生 真理子 九州大学, 大学院・薬学研究院, 助手 (30201891)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末宗 洋 九州大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (20095897)
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Keywords | スピンラベル化ヌクレオシド / ESRスペクトル / pH依存症 / N-tert-アミノキシルラジカル / イノシン / アデノシン |
Research Abstract |
1.2-N-tert-ブチルヒドリキシルアミノ2'-デオキシイノシン及びアデノシン誘導体の水素結合形成能を^1H NMRを用いた滴定によて検討した。イノシン誘導体は天然型の0.8倍、アデノシン誘導体は天然型の65倍の強さで相補的塩基と水素結合を形成した。2-N-tert-ブチルアミノキシル2'-デオキシイノシン及びアデノシン誘導体についてはトルエン中相補的塩基存在下、非存在下、ESRスペクトルを測定したが、明かな差はなかった。 2.2-N-tert-ブチルアミノキシル2'-デオキシイノシン及びアデノシン誘導体のESRスペクトルを精査し、そのpH依存的性質を明らかにした。イノシン誘導体のpKaは約8であり、pH10.4以上とpH6以下は異なるESRスペクトルを示した。アデノシン誘導体に関してはpKaの決定には至らなかったが、pH依存的にESRスペクトルが変化することがわかった。 3.2-N-tert-ブチルアミノキシル2'-デオキシアデノシン及びイノシン誘導体を導入したオリゴヌクレオチドの合成に成功した。前者のESRスペクトルは相補鎖存在下変化した。回転相関時間、相補鎖中のミスマッチの検出を行った。 4.2位にN-tert-ブチルヒドロキシルアミノ基を導入した2'-デオキシイノシン及びアデノシン誘導体は空気酸化によりラジカル体へ変換され、またアスコルビン酸等還元剤でヒドロキシルアミン体へ変換されることがわかった。 5.8-N-tert-ブチルアミノキシルイノシン誘導体のESRスペクトルを4種のヌクレオシド存在下トルエン中測定した。イノシン誘導体単独の場合に比べ、いずれもピーク強度の増加が見られたが、その増加の程度は、イノシンと4種のヌクレオシド間の水素結合形成能と相関が見られた。
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Research Products
(2 results)