2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15590019
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Research Institution | Tohoku Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
高畑 廣紀 東北薬科大学, 薬学部, 教授 (00109109)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 有香子 東北薬科大学, 薬学部, 助手 (30364409)
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Keywords | 縮合剤 / 触媒反応 / アミド化 / イソキノリン / エステル化 |
Research Abstract |
カルボン酸のエステル化およびアミド化は有機化学において最も基本的な反応の一つであり,現在も新しい有用な縮合剤の開発が精力的に行われている。しかし,いまだ酸や塩基などの添加剤を必要とするものが大部分であり,また試薬由来の生成物との分離に困難なことに遭遇する場合がある。そこで,我々はより簡便で実用的な脱水縮合剤の開発を目指した。先に我々はイソキノリンとBoc_2Oから容易に合成される1-tert-butoxy-2-tert-butoxycarbonyl-1,2-dihydroisoquinoline(BBDI)が,カルボン酸とBBDIの反応で高収率でBoc体を与え,このBoc体がカルボン酸のアシル活性化体に成りうると考え,BBDIを新規縮合剤とするカルボン酸のエステル化およびアミド化を見いだしている。特にカルボン酸としてN-保護アミノ酸を用いるエステル化においては,従来のエステル化剤と異なり塩基を必要とせず,後処理の分液操作で容易に試薬由来生成物を除去,ほぼ当量のアルコールを用いてもエステル化が進行して副産物を全く与えないことが判明した。今回,本反応のメカニズム的考察から触媒化を検討したところ10モル%のBBDIでも反応が完了し,収率的にも当モル用いた場合と同等であった。アミド化に於いてもほぼ当量の種々のカルボン酸,BBDI,アミンで高収率で進行した。アミン塩酸塩を用いても新たに塩基を加えることなくアミド化が進行した。エステル化と同等の条件での触媒的アミド化を行うとアミンのBoc体が大量に副生成したが,カルボン酸のアシル活性化体形成完了後にアミンを加えたところ,アミド体の収率は大幅に改善された。カルボン酸のアシル活性化体形成時間の短縮を目的として,骨格であるイソキノリンに電子供与基であるメトキシ基を5位または6位に導入し第二世代BBDIを創製し,触媒的エステル化において反応時間の大幅な短縮に成功した。さらに第二世代BBDI誘導体からの固相化縮合剤の開発を目指している。
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Research Products
(1 results)