2003 Fiscal Year Annual Research Report
光学活性安定カルベン反応剤の開発と非天然型糖類合成への適用に関する研究
Project/Area Number |
15590029
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
原 脩 名城大学, 薬学部, 助教授 (40222228)
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Keywords | クロスベンゾイン縮合 / 光学活性チアゾリウム塩 / パラホルムアルデヒド / 光学活性チアゾリウム塩 |
Research Abstract |
本年度は研究計画に従い、クロスベンゾイン反応について検討を行った。クロズベンゾイン反応はすでにStetterにより、チアゾリウム塩を用いることにより進行する事が知られている。これに基づきヒドロキシアセトアルデヒドとパラホルムアルデヒドとのクロスベンゾイン反応を検討した。しかし、目的とするクロスベンゾイン反応成績体を得ることができなかったので、Stetterらの代表的な反応例を追試してみることにした。その結果、彼らが使用したチアゾニウム塩では目的の成績体はほとんど得られず、Cannizzaro反応成績体が得られてきた。そこでさらに彼らの報告を詳細に検証することにした。用いたチアゾリウム塩は、より一般的に使用している臭化ベンジルとチアゾールから得られる触媒で、比較的選択性の高い基質の組み合わせから反応を行った。とっとも選択性の高い反応はο-クロロベンゾアルデヒドとイソブチルアルデヒドの組み合わせであり、まずその反応の確認を行ったところ、クロスベンゾイン成績体は2種類考えられるが、報告どおり一方のみが選択的に得られてきた。しかしこの成績体はStetterらの報告したものとは別の化合物であった。また、反応する際の基質の割合についても報告と異なることが明らかとなった。そこで他の基質についても同様の検討を行ったところ、そのほとんどが反対の選択性で進行する事がわかった。そのほかこれまで報告されていない反応の組み合わせについても調査した。また、これと平行し、光学活性なベンゾイン成績体を得るために従来知られている反応性や選択性の情報を元に数種のアゾリウム塩をデザインし、合成を試みた。その結果、ノルエフェドリンより誘導したトリアゾリウム塩が触媒活性は低いものの最高82%eeでベンゾインを与えることが明らかとなった。さらに触媒活性の低さは触媒の分解によることが判明し、現在その改良を加えている。
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