2004 Fiscal Year Annual Research Report
Naチャネルブロッカーのインスリンシグナリング抑制機構
Project/Area Number |
15590040
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
黒田 義弘 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (90093236)
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Keywords | 局所麻酔剤 / リドカイン / オリゴペプチド / KIFMK / KIYEK / インスリン受容体 / リン酸化抑制 / 脱リン酸化 |
Research Abstract |
1.表面プラズモン共鳴(SPR)実験法を用いたリドカイン及びオリゴペプチドによるインスリン受容体(IR)の脱リン酸化作用 リドカイン及びオリゴペプチドによるIRの脱リン酸化作用をSPR法によって検討した。センサーチップ上に固定化したIRに対して、インスリン及びATPを含む緩衝液を流して、IRをリン酸化させ、次にアナライトとして抗リン酸化チロシン抗体(4Gl0)を流したところ、169RUのレスポンスが得られた。続いて、40mMリドカインを20分間流し、再度4Gl0で検出したところ、58.6RUに減じた。この結果はリドカインによる脱リン酸化作用と考えた。然しながら、再度インスリン及びATPによるリン酸化を試みたが、元のレスポンスを回復しなかった。この結果は、始めの169RUのレスポンスがセンサーチップ上に固定化後のリン酸化によるものでは無いことを意味する。固定化するリガンドおよび流路系に流す、アナライトの組み合わせを種々変えてSPR実験を行った結果、SPR法はIRのリン酸化解析には適さないと結論した。 2.蛍光スペクトルによるIRの活性化ループ部位のペプチド(AL)とリドカイン及びオリゴペプチドとの相互作用 活性化IRに対して、脱リン酸化作用を示したリドカイン,KIYEK及びDIYETは励起波長280nm、蛍光波長303nmにおけるALの蛍光強度を減じた。一方、脱リン酸化作用を示さなかった、KIFMKは蛍光強度を増強した。また、コントロールとした、LPFFDは蛍光強度に影響を与えなかった。IRの脱リン酸化は、リドカインの3級アミン塩基、及びオリゴペプチドに含まれるGlnが一般塩基として作用したものと結論した。 3.IRに対するオリゴペプチドと同様の考えで設計したオリゴペプチドによる上皮成長因子受容体(EGFR)のリン酸化抑制作用 EGFRのリン酸化部位のアミノ酸配列を持つオリゴペプチドによるEGFRのリン酸化抑制効果を検討した。Y1148及びY1173部位のアミノ酸配列を持つオリゴペプチドがリン酸化抑制に最も効果があった。
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Research Products
(1 results)