2003 Fiscal Year Annual Research Report
加電圧0Vの増幅還元電流検出に基づく環境ホルモンのオンサイト分析システムの開発
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15590046
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Research Institution | Gifu Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
宇野 文二 岐阜薬科大学, 薬学部, 助教授 (80160307)
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Keywords | 環境ホルモン / オンサイト分析 / 電流増幅 / フェロセン誘導体 / 固相抽出 / 固相誘導体化反応 / 電気化学検出 |
Research Abstract |
本研究では,電流増幅電気化学検出系の確立,固相濃縮-反応カートリッジの概念の確立と作成,電流増幅電気化学検出系とミクロ分離系とのカップリングやマイクロチップ化によって,環境ホルモンのオンサイト型簡易分析システムを構築する.本年度は,電流増幅系の確立と固相抽出用カートリッジ上での固相誘導体化反応に関する基礎検討を行った. 1.電流増幅電気化学検出系の確立 フェノール類と反応性の高いアジド基,クロルスルフォニル基,カルボン酸クロライド基を有するフェロセンを合成し,フェノール-フェロセン誘導体化反応の最適化条件を検討した.次に,環境ホルモンをフェロセン誘導体とし,電流増幅高感度電気化学検出系をサイクリックボルタンメトリー法と,フロー系アンペロメトリック電気化学検出によって確立した.その結果,C-12アルキル鎖修飾金電極を用い,フェロシアン化カリウムを無機還元剤として共存させたとき,効率的な還元体再生によって酸化電流が数百倍に増幅され,検出限界は10^<-11>mol/Lであった.一方,Fe(NO_3)_3を無機酸化剤として共存させ,加電圧0Vで還元電流を検出すると,増幅率は数倍程度であった.加電圧0Vでの検出は高度な選択性を有するため,更に効率的なサイクリゼーションに適する系の検索が必要であると考えられた. 2.固相濃縮-反応カートリッジの概念の確立と作成 固相抽出と誘導体化反応を同時に固相上で行う新しい誘導体化法の確立を目指した.クロルスルフォニル基とフェノールの反応を焦点にあて,最も簡単なトシルクロライドを用いて検討した.トシルクロライドを吸着したC18修飾シリカゲルを充填した固相抽出カートリッジ上に,環境水中の環境ホルモンは濃縮され,適度な塩基性溶液を流すことにより効率的に誘導体化反応が進行することが分かった.以上から,効率的かつクリーンな誘導体化法の概念を確立することができた.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] F.Feng, B.Uno, M.Goto, Z.Zhang, D.An: "Evaluation of a New Reagent : Anthraquinone-2-Sulfonyl Chloride for the Determination of Phenol in Water by Liquid Chromatography Using Precolumn Phase-Transfer Catalyzed Derivatization"J.Chromatogr.Sci.. 41・7. 337-342 (2003)
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[Publications] B.Uno, N.Okumura: "Direct Tosylation in the Solid Phase Extraction Cartridge Used for Extraction and Preconcentration of Alkylphenolic Compounds"Chem.Pharm.Bull.. (印刷中). (2004)