2004 Fiscal Year Annual Research Report
血小板PAF受容体と連携したグアニルシクラーゼが関わる新規なシグナル伝達系の解明
Project/Area Number |
15590063
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
三輪 匡男 静岡県立大学, 薬学部, 教授 (10046287)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅谷 純子 静岡県立大学, 薬学部, 助教授 (30098131)
吉成 浩一 静岡県立大学, 薬学部, 講師 (60343399)
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Keywords | 血小板 / 脱凝集 / 血小板活性化因子(PAF) / PAF受容体 / グアニルシクラーゼ / cGMP / Rho kinase阻害剤 / 細胞内情報伝達 |
Research Abstract |
これまで代表的循環器病である血栓症の予防・治療面から血小板活性化機構と細胞接着分子の細胞表面への発現機構を早期に解明することが期待されていた。これまでの研究成果から、Ca^<2+>、蛋白リン酸化酵素が関わる一連の細胞内情報伝達機構が提唱されているが、化学的、免疫化学的刺激により活性化され、細胞膜表面に細胞接着分子が出現し、血小板同士が凝集した血栓形成初期段階の血小板の解離を促進する作用を持つ医薬品は未だ開発されておらず、新規な作用点を持った抗血栓薬の開発が期待される。申請者は、PAF-受容体複合体からPAF分子が解離されると血小板膜上のPセレクチン発現量の低下とともに脱凝集反応が惹起され、この脱凝集反応時に細胞内cGMPレベルが上昇するシグナル伝達系の存在を明らかにした。またPAF-受容体複合体解離時に活性化されるグアニルシクラーゼは膜結合酵素であり、既知の可溶性酵素とは異なった酵素であることをイムノブロット法により明らかにした。さらにPAF刺激による血小板活性化時のシグナル伝達系とは異なり、Rho kinase阻害剤によりPAFアンタゴニストによる脱凝集反応がより強力に惹起されることから、血小板PAF受容体が二方向性の伝達経路に連携していること、即ちPAF分子が結合し細胞が活性化される経路とPAF-受容体複合体からPAF分子が解離した際に機能するシグナル伝達経路により血小板が制御されていることを明らかにすることができた。血小板PAF受容体に連携したグアニルシクラーゼの活性化機構解明のために、これまで不明であったウサギ、ヒト血小板PAF受容体を各々ウサギ血小板mRNA、ヒト巨核球mRNAから調製したcDNAを用いてRACE法によりクローニングし、現在、動物細胞で発現させたPAF受容体の抗体を作製中である。
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Research Products
(6 results)