2004 Fiscal Year Annual Research Report
阻害剤をプローブとするアロマターゼ反応メカニズムの解析
Project/Area Number |
15590066
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Research Institution | Tohoku Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
沼澤 光輝 東北薬科大学, 薬学部, 教授 (90006338)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長岡 正男 東北薬科大学, 薬学部, 助教授 (00104084)
亘理 陽子 東北薬科大学, 薬学部, 助手
伴田 和香子 東北薬科大学, 薬学部, 助手
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Keywords | アロマターゼ / 阻害活性 / 19-置換3-デオキシアンドロゲン / 重水素標識 / 同位体効果 / 水酸化反応 / 芳香核化反応 / ヒト胎盤ミクロゾーム |
Research Abstract |
1.[19-^3H]19-hydroxy-3-deoxyステロイドの19-oxo体への変換過程における19位の立体選択性を検討するためには、そのアイソトープ効果の有無を確認することが必須であることが判明した。そのため、まず、[19,19-^2H_2]19-hydroxy-3-deoxyステロイドを合成した。すなわち、19-oxo-3-deoxyandrostenedioneとその5-ene異性体を限定量のNaB^2H_4で還元し、それぞれ[19-^2H]19-hydroxy体に変換した。ついで、これらをPCD酸化とNaB^2H_4に順次付し、目的とする[19,19-^2H_2]19-olsを得た。ついで、これらを非標識体と1:1の混合物とし、ヒト胎盤ミクロゾームとともにNADPH存在下インキュベートし19-oxo体への変換における重水素アイソトープ効果を、19-oxo体の生成と残存基質のアイソトープ比によりGC-MSを用いて分析した。その結果、この変換にはアイソトープ効果の無いことを明らかにし、[1β-^3H]標識体を用いる立体化学の解析が可能であることを立証した。 2.Δ^1-ADの19-methylと19-halogeno(Cl,Br,I)体を合成し、それらのアロマターゼ阻害活性を検討した。その結果、これらはK_i値が30-600nMの拮抗阻害剤であった。この中では、19-methyl体が最も強力な阻害活性を示し(K_i:30-40nM)、19-I体のK_i値は390-600nMと大きなものであった。 また、19-Cl体は不可逆的阻害剤(K_I870nM,k_<inact>0.038min^<-1>)の特性を示すとともに、GC-MS分析の結果、アロマターゼの基質となりestrogenに変換されることが判明し、アロマターゼ反応機構解明に重要な知見が得られた。
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Research Products
(3 results)