2005 Fiscal Year Annual Research Report
阻害剤をプローブとするアロマターゼ反応メカニズムの解析
Project/Area Number |
15590066
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Research Institution | Tohoku Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
沼沢 光輝 東北薬科大学, 薬学部, 教授 (90006338)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伴田 和香子 東北薬科大学, 薬学部, 助手
高橋 円香 東北薬科大学, 薬学部, 副手
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Keywords | アロマターゼ / 阻害剤 / 乳がん治療薬 / 炭素-炭素結合切断 / 水酸化反応 / 立体化学 / 不活性化機構 / 自殺基質 |
Research Abstract |
1.前々年度で合成した[19-pro-R-^3H]ならびに[19-pro-S-^3H]19-hydroxy-3-deoxy-4-eneステロイドならびにそれらの5-ene異性体を、ヒト胎盤ミクロゾームとともにNADPH存在下インキュベートし、放出される^3H_2Oと^3HCOOHを分画した。まず、生成する^3HCOOHの同定はジアゾ化反応により生成する9-hydroxymethylanthranylformateへと誘導後、逆同位体希釈法により行った。この^3H_2Oと^3HCOOHの放出は、インキュベーション時間15minまで、一方、ミクロゾーム蛋白は500μgまで直線的に増加した。この初速度条件下、これらの放出は、基質ADと阻害剤4-OHADの添加により効率的に抑制された。このことから、アロマターゼ触媒によるC(10)-C(19)結合の切断反応も明確となった。 つぎに、初速度条件下[19-pro-R-^3H]ならびに[19-pro-S-^3H]体からの^3H_20と^3HCOOH産生量から、5-ene体では19-pro-R水素が立体特異的に、一方、4-ene体ではpro-Rとpro-Sが75:25の選択性でそれぞれ脱離することが証明された。 2.[19-^3H_3]ADと[4-^<14>C]ADを混合後、DCCを用いる脱水素反応に付し、[19-^3H_3,4-^<14>C]Δ^1-ADを合成した。ついで、この二重標識体をヒト胎盤アロマターゼとの反応に付し、芳香核化に伴う19位メチル基の挙動とエストロゲン生成との関係を検討したところ、エストロゲン生成と^3H_2O生成に直接的相関のないことが示唆された。 3.19-Hydroxy-Δ^1-ADの19-acetateと19-TBDMS誘導体を化学的に合成した。ついで、これらの19位保護基の脱離を後々試みたが、目的とする19-hydroxy体を得ることが現在までできていない。今後の課題である。
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Research Products
(4 results)