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2005 Fiscal Year Annual Research Report

扁桃体-海馬シナプスにおける可塑性の研究

Research Project

Project/Area Number 15590073
Research InstitutionMusashino University

Principal Investigator

阿部 和穂  武蔵野大学, 薬学研究所, 教授 (60202660)

Keywords情動 / 記憶 / 扁桃体 / 海馬 / 可塑性 / Caシグナル
Research Abstract

高齢化社会を迎え、老年性認知症患者が急増しているが、認知・記憶障害を治す薬を創るためには、記憶のメカニズムを解明することが必要である。私たちはすべての物事を同等に記憶するのではなく、特に嬉しかったことや怖かったことは良く覚えている。つまり情動によって記憶が左右される。私は、情動によって記憶が左右されるメカニズムを解き明かすことにより新しい認知症の治療法を開発したいと考えている。情動は脳の中で扁桃体とよばれる部分で形成され、記憶は海馬と呼ばれる部分で形成される。したがって、扁桃体と海馬の機能的関連を探ることが、情動と記憶の関係を解き明かす鍵となる。私はこれまでに、麻酔ラットを用いた電気生理学的研究を行い、扁桃体の外側基底核(BLA)から海馬の歯状回(DG)に至る神経路を明らかにした。さらに、このBLA-DGシナプスに高頻度刺激を与えるとシナプス伝達の長期増強(LTP)が起きることを発見した。LTPは一般に記憶に必要なシナプス可塑性として知られるので、本研究ではBLA-DGシナプスにおけるLTPの誘導機構を検討することを計画した。
本(平成17)年度は、この研究を継続して、LTPの発生機構を薬理学的に解析した。昨年度の研究により、電位依存性L型Ca^<2+>チャネルが関与することが明らかとなったので、それ以降のメカニズムを追及した。その結果、BLA-DG経路のLTP誘導は、Ca^<2+>/カルモデュリン依存性蛋白リン酸化酵素阻害薬のKN-93によって抑制されることが明らかとなった。また、各種セロトニン受容体拮抗薬または作動薬によっては影響されなかったので、セロトニン作動性神経系の関与はないと考えられた。こうしてBLA-DG経路のLTPの機序が解明できたことから、今後はそれを修飾することにより記憶を増強する新規薬物を探索する手がかりが得られた。研究成果は論文投稿の準備中である。

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Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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