2004 Fiscal Year Annual Research Report
催眠・鎮痛作用を有するウリジン誘導体の分子生物学的作用機作の解明
Project/Area Number |
15590075
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Research Institution | Hokuriku University |
Principal Investigator |
木村 敏行 北陸大学, 薬学部, 助教授 (20234370)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 和人 北陸大学, 薬学部, 教授 (30113038)
舟橋 達也 北陸大学, 薬学部, 助手 (60343646)
山折 大 北陸大学, 薬学部, 助手 (40360218)
山本 郁男 九州保健福祉大学, 薬学部, 教授 (50069746)
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Keywords | ウリジン / 睡眠 / 鎮痛 / ヌクレオシド / ウリジン受容体 / 中枢抑制系 |
Research Abstract |
これまでに我々はN^3-ベンジルウリジンがマウス脳室内投与において催眠作用を有し、さらにその芳香環にハロゲンを導入すると催眠の変化がみられることをすでに報告している。そこで2'-デオキシウリジンをリード化合物としてN^3-位ベンジル及びフェナシル置換基にハロゲン及びニトロを導入した化合物を合成した。化合物を1% Tween 80生理食塩液に溶解又は懸濁し、ddY系雄性マウスに2.0μmol/mouseの用量で脳室内投与、単独催眠作用及びペントバルビタール睡眠増強作用を検討した。2'-デオキシウリジンのN^3-置換体の中で、p-プロモ-o-フルオロベンジル体が強い睡眠作用を示しN^3-ベンジル体(N^3-BydUd)の約3倍の作用であった。また、m及びp-ブロモベンジル置換体を除くo,m,p-フルオロベンジル、クロロベンジル、ブロモフェナシル体もまた催眠作用を示したが、いずれの誘導体も有意なペントバルビタール誘導睡眠の増強作用は見られなかった。しかし、ベンジル部分にニトロ基を導入した誘導体は、o,p-ニトロベンジルdUdで催眠作用を示した他、ペントバルビタール睡眠も有意に3.6及び2.4倍に延長した。本結果から、N^3-ベンジル-2'-デオキシウリジンの芳香環部位にハロゲン及びニトロを導入すると催眠・鎮静作用を増強させることが明らかとなった。一方、ピリミジンヌクレオシド誘導体の鎮痛作用機構解明において、N^3-(2',5'-ジメトキシフェナシル)アラビノフラノシルウラシルの100μM添加により、[^3H]DAMGO,[^3H]DPDPEの特異的結合量はコントロールと比較して有意に減少したが、[^3H]U-69,593の結合に対しては何ら影響せず、先に報告したシナプス膜を用いた結果と同様であった。さらに、μ及びδオピオイド受容体結合に対するN^3-(2',5'-ジメトキシフェナシル)アラビノフラノシルウラシルの影響をオートラジオグラフィーにて検討したところ、大脳皮質において顕著な結合置換が認められた。また、μ受容体では線条体、海馬及び視床においても結合阻害が認められ、N^3-(2',5'-ジメトキシフェナシル)アラビノフラノシルウラシルの上位中枢におけるオピオイド受容体の関与が示唆された。
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Research Products
(2 results)