2004 Fiscal Year Annual Research Report
インターフェロン制御転写因子IRFの生物学的機能について
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15590092
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Research Institution | National Institute of infectious Diseases |
Principal Investigator |
益見 厚子 国立感染症研究所, 血液・安全性研究部, 主任研究官 (70165728)
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Keywords | IRF-2 / プロテオーム / ヒストンアセチラーゼ / nucleolin / 転写活性 / アセチル化 |
Research Abstract |
「序論」IRF-2はインターフェロン制御転写因子のひとつであるが、H4,CIITA,VCAM-1等のプロモーターのISRE-like配列に結合してこれらの遺伝子発現を活性化する働きがあり、細胞の増殖・分化制御とも関わっていることが報告されてきた。私は以前IRF-2はH4遺伝子のプロモーター配列に結合し、PCAF,p300を動員して転写を活性化し、同時にIRF-2はこれらによってアセチル化を受けることを証明した(Masumi.A.et al.,J.Biol.Chem.2003)。NIH3T3の増殖状態においてIRF-2がアセチル化をうけ、アセチル化されたIRF-2がH4遺伝子プロモーターに結合してH4遺伝子を活性化し、細胞増殖を促進する。そこでIRF-2のH4遺伝子プロモーター活性化の機構を解明するため、アセチル化IRF-2と結合する細胞内タンパク質を検索・同定するという手法を用いて検討した。 「実験・結果」293TにIRF-2とPCAF,p300を発現させる系を用いて、アセチル化IRF-2と結合する細胞内タンパク質nucleolinを同定した。NIH3T3細胞とH4レポーターを用いた遺伝子導入実験でnucleolinがPCAFとともにプロモーターを活性化することが明らかとなった。 「考察」IRF-2が細胞増殖状態においてアセチル化を受け、H4遺伝子プロモーターに結合するとき、アセチル化IRF-2がnucleolinを動員して複合体となりPCAF,p300とともに転写活性化に寄与していることが明らかとなった(現在投稿中)。
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