2004 Fiscal Year Annual Research Report
DNA特異的ADPリボシル化酵素ピエリシン-1のin vivo抗腫瘍活性
Project/Area Number |
15590094
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Research Institution | Shujitsu University |
Principal Investigator |
渡辺 雅彦 就実大学, 薬学部, 教授 (00182949)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若林 敬二 国立がんセンター研究所, 副所長 (60158582)
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Keywords | モンシロチョウ / ピエリシン / ADPリボシル化 / in vivo抗腫瘍活性 / HeLa細胞 / 酵素ドメイン |
Research Abstract |
モンシロチョウに存在する分子量98,000の蛋白質、ピエリシン-1、は種々のがん細胞に対して細胞傷害活性を有する。ピエリシン-1を腹腔内投与した場合のBALB/cマウスに対するLD_<50>値は約5μg/kg body weightであった。HeLa細胞を移植したヌードマウスにピエリシン-1を投与した群は、非投与群と比べて腫瘍発生頻度と腫瘍重量が低かった。以上のようにin vivo抗腫瘍活性を有するピエリシン-1の抗腫瘍活性をさらに解析する目的で、ピエリシン-1の大量精製を行った。すでに確立された方法を改変し、1,340頭のモンシロチョウさなぎから47.6mgの精製ピエリシンを得た。純度および比活性はこれまでに得られていたものと同じであった。つぎに、酵素ドメインを有する組換え蛋白質の抗腫瘍活性を解析するための基礎的研究として、ピエリシン-1およびその酵素ドメインであるN末端断片の酵素的性質を解析した。まずin vitroで発現したN末端断片およびSDS-PAGEで分離したN末端断片によるグアニン塩基のADPリボシル化をHPLC等で確認した。つづいてトリプシン活性化本酵素とN末端断片による、反応の至適条件と特異性を解析し、C末端断片の影響について考察したところ、N末端断片は中性ないし弱アルカリ性、生理的塩濃度および温度条件下で効率よくグアニン塩基のADPリボシル化を行ったが、C末端断片が存在すると、酵素活性が大きく低下する条件が認められた。N末端断片およびトリプシン活性化本酵素による転移反応のturnover numberは55および25、24時間反応における転移数は10^6レベルであり、単一分子によって細胞に致死レベルの付加体が生成し得ることを示した。
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Research Products
(2 results)