2003 Fiscal Year Annual Research Report
分岐糖構造を有する4'-チオヌクレオシドの合成とその血管新生阻害作用に関する研究
Project/Area Number |
15590100
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
原口 一広 昭和大学, 薬学部, 助教授 (10218638)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 博道 昭和大学, 薬学部, 教授 (50109477)
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Keywords | ヌクレオシド / グリカール / チオグリコシル化反応 / チミジン / リナウム化反応 / wittig反応 / 血管新生阻害 / 抗ガン剤 |
Research Abstract |
3,5-O-(テトライソプロピルジシロキサン-1,3-ジイル)-4-チオフラノイドグリカール(1)をリチウムジイソプロピルアミドで処理することにより1位を選択的にリチウム化した後、引続きヨウ化メチルと反応させ、1-メチル-4-チオフラノイドグリカール(2)へ変換した。次に、N-ヨードコハク酸イミドを求電子剤として用い、2とシリル化したチミンとのグリコシル化を行った結果、目的とする立体化学を有するグリコシル化成績体(3)を良好な収率で得る事に成功した。トリエチルボランをラジカル開始剤として用い、酸素雰因気下、3を水素化トリブチルスズで処理することにより、1'-メチル-4'-チオチミジン誘導体(4)へ変換した。最後に、4をテトラブチルアンモニウムフルオリドで処理することにより、1'-メチル-4'-チオチミジン(5)を得る事ができた。グリカール1をリチウム化した後、ホルミル化/ヒドリド還元を行うことによ,り得られる1-ヒドロキシメチルグリカール(6)を糖供与体として用いたグリコシル化反応を行うことにより、1'-ヒドロキシメチル-4'-チオチミジン誘導体(7)を得た。化合物7はヒドロキシメチル基の酸化により得られるホルミル体(8)のWittig反応によりエテニル体(9)へ変換した。また、8はヒドロキシルアミンとの反応で得られるオキシム体(10)の脱水反応によりシアノ体(11)へも変換可能であった。以上合成した1'-炭素置換4'-チオチミジンのHUVECを用いた血管新阻害作用を調べた結果、1'-メチル-4'-チオチミジンが最も強力な阻害活性を示し、その効果は現在抗癌剤として開発段階にあるfumagillinに匹敵するものであった。
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Research Products
(1 results)