2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15590103
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
木島 孝夫 京都薬科大学, 薬学部, 助教授 (80121557)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳田 春邦 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (60111960)
高崎 みどり 京都薬科大学, 薬学部, 助手 (10179434)
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Keywords | 羅漢果 / Momordica grosvenori / 抗発がんプロモーター / Epstein-Barr virus / mogroside / 代替甘味物質 / 発がん予防作用 / peroxynitrite |
Research Abstract |
中国広西壮族自治区にのみ栽培されるウリ科植物Momordica grosvenoriの果実は、羅漢果と称され、咽頭痛や扁桃腺痛などの緩和を目的とし、また小児の緩下剤として民間薬に用いられている。本生薬に含有される主成分は、ククルビタン型トリテルペン配糖体であり、極めて強い甘味(ショ糖の数百倍)を呈することが知られ、代替甘味料としての可能性が期待されている。 我々は、天然甘味物質の機能性を明らかとするため、本生薬から得られる甘味物質の発がん予防作用を検討した。新鮮果実のエキスより、4種の甘味配糖体mogroside IV(1),V(2),11-oxo-mogroside V(3),siamenoside I(4)を単離し、抗発がんプロモーター検索の一次スクリーニングであるEpstein-Barr virus活性化抑制試験を行った。その結果、いずれの化合物にもグリチルレチン酸より強い抑制作用が認められ、in vivoにおける発がん抑制作用が期待された。そこで、主成分である化合物2並びに3について、マウス皮膚二段階発がん実験(DMBAをイニシエーター、TPAをプロモーターとする)を実施し、いずれの化合物にも顕著な抗発がんプロモーター作用があることを明らかとした。さらに、過剰なNOラジカルなどの窒素酸化物の生成が発がんの引き金となることから、peroxynitrite(ONOO-)をイニシエーターとするマウス皮膚二段階発がん実験を行った。この際、化合物1,2は共にイニシエーション処理前後2週間のみ経口的に摂取させることとしたが、対照群と比較し、両化合物摂取群とも10週以上の発がん遅延効果を有し、腫瘍個数においても50%以上の抑制効果を示すことが明らかとなった。 本研究により、羅漢果含有の甘味物質は、発がん予防物質としての作用を有することが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 木島孝夫: "天然甘味物質における発がん抑制作用"Food & Food Ingredients Journal of Japan. 208・3. 184-191 (2003)
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[Publications] Midori Takasaki: "Anticarcinogenic activity of natural sweeteners, cucurbitane glycosides, from Momordica grosvenori"Cancer Letters. 198・1. 37-42 (2003)