2004 Fiscal Year Annual Research Report
内分泌攪乱物質DES胎仔期暴露のシナプス可塑性への影響の解明と詳細試験法への応用
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15590110
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
白崎 哲哉 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教授 (30264047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高濱 和夫 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (80150548)
副田 二三夫 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助手 (10336216)
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Keywords | 環境ホルモン / ジエチルスチルベストロール / エストロジェン受容体 / LTP / 海馬 / プロテオーム解析 |
Research Abstract |
昨年度と同様に胎仔期DES曝露マウスを作成した。LTPの実験には雌の仔マウスを用いた。生後3週齢において50Hz 100パルスの高頻度刺激(HFS)を与えると、刺激後20-30分のEPSP振幅はコントロール群で146±16%、DES暴露群で130±7%となり、両群間に有意な差が見られなかった。50Hz 30パルスのHFSにおいても、刺激後50-60分のEPSP振幅に有意な差は見られなかった。さらに、4週齢で卵巣摘出し6週齢でLTPへの影響を検討したが、雄とは異なり50Hz 30パルスHFSによるLTPは影響されない可能性が示唆された。さらに検討が必要である。 一方、生後5-6週齢の正常マウス海馬スライスを2-11時間10nM DESで処理するとCA1におけるLTPはコントロールの127±7%から167±17%に増強した。その増強の程度は10nM 17β-estradiolのそれ(122±6%→206±36%)より弱かったが、DESのLTP増強作用はエストロジェン受容体拮抗薬ICI182780で拮抗された。 急性単離海馬CA1錐体細胞での細胞内Ca^<2+>濃度測定も試みたが、安定した記録には至らなかった。今後は、スライスレベルでの測定を目指す。 平行して、ERαおよびERβ受容体KOマウスの飼育を開始し、繁殖に成功した。最近このKOマウスで胎仔期DES暴露のLTPに対する影響を検討し始めたが、まだ結果は得ていない。 また、胎仔期DES暴露により受動的回避学習が阻害されたマウスの海馬においてプロテオーム解析を行った。その結果、350%以上増加したスポットが4個、70%以下に減少したスポットが6個観察された。このうち2つはチュブリンα6および乳酸脱水素酵素2β鎖と思われるが、その他のスポットを含め、まだ同定にはいたっていない。
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