2005 Fiscal Year Annual Research Report
肥満細肪の高親和性IgG受容体を介する情報伝達系への環境化学物質の影響
Project/Area Number |
15590120
|
Research Institution | National Intsitute of Health Sciences |
Principal Investigator |
手島 玲子 国立医薬品食品衛生研究所, 機能生化学部, 室長 (50132882)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 亮介 国立医薬品食品衛生研究所, 機能生化学部, 主任研究官 (50333357)
|
Keywords | イヌマスト細胞 / 高親和性IgG受容体 / 脱顆粒 / cDNA / イヌIgG |
Research Abstract |
(1)平成16年度までに、イヌ皮下組織より由来したマスト細胞腫由来培養マスト(CM-MC)細胞を用いて、単量体IgGの結合並びにその架橋形成による脱顆粒が起きること、また、^<125>I-イヌIgG結合実験及びmRNAのRT-PCR解析等により、高親和性IgG受容体(FcγRI)の存在を確認し、イヌFcγRIα鎖遺伝子のcDNA配列が1119塩基対(GenBank accession number, AB101519)よりなることを決定した。イヌFcγRIは、全372個のアミノ酸から構成され、細胞外領域には、6ケ所のシステイン残基が認められた。平成17年度は、イヌFcγRIの機能を調べるために、CM-MC細胞に存在する3種のFcγRIの変異体(3つのドメイン構造を有する全長のA1、それぞれ最初のドメイン及び3番目のドメインを欠失するA2及びB2)のcDNAをCOS-7細胞に導入し、イヌ単量体IgGの結合能をフローサイトメトリーとレーザー走査顕微鏡で確認した。その結果、FcγRIα鎖A1,A2は、IgG結合能を有するが、B2は、IgG結合能を有さなかった。このことより、IgG結合には、FcγRIα鎖の2番目と3番目のドメインが重要であることが示唆された。なお、イヌIgG受容体遺伝子発現への化学物質の影響に関しては、INF-γの影響について解析を加えた。 (2)CM-MC細胞の活性化を研究する過程において、塩基性ペプチドSubstance P及び補体ペプチドC5aが本細胞の細胞内カルシウム濃度上昇を促しヒスタミン遊離能を有することが判明した。Substance Pや補体の活性化と、FcγRIを介する活性化は作用機構が異なり、両者が、互いに影響を及ぼしうることが示されたため、Substance Pや補体の活性化を促す環境化学物質も、FcγRIを介する情報伝達に影響を及ぼしうる可能性が示唆された。
|
Research Products
(3 results)