2004 Fiscal Year Annual Research Report
土壌微生物より単離された新規抗腫瘍因子DIFの作用および作用機構解析
Project/Area Number |
15590123
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
久保原 禅 群馬大学, 生体調節研究所, 助教授 (00221937)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 至 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (60143492)
保坂 公平 群馬大学, 医学部, 教授 (70108992)
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Keywords | Dictyostelium / DIF-1 / PDE1 / 抗腫瘍因子 / Erk |
Research Abstract |
細胞性粘菌Dictyostelium discoideumは、最も下等な多細胞生物の1種であり、単純な分化・発生様式を示す。細胞性粘菌の柄細胞分化誘導因子として、粘菌細胞が産生する低分子脂溶性物質DIF-1が同定されている(1987年)。我々は、このDIF-1に抗腫瘍活性があることを発見し(1995年)、以来、その作用機構の解析を行ってきた。DIF-1は我々が調べたすべての腫瘍細胞に対して増殖阻害活性を示し、場合によっては細胞分化を誘導・促進した。しかしながら、DIF-1の作用機構の詳細やDIF-1のターゲットは明らかにされていなかった。 本研究において、我々は、 1)K562ヒト白血病細胞において、DIF-1がErk活性を抑制することによって、G1cycHnsの発現を抑制し、Rbタンパク質を脱リン酸化することによって、細胞周期をG1期に停止させることを示した(Akaishi et al.Eur.J.Pharmacol.2003)。 2)DIF-1の薬理学的ターゲットの少なくとも1つを世界に先駆けて発見した、すなわち、DIF-1がcAMP分解酵素であるphophodiesterase1(PDE1)に直接結合して酵素活性を阻害することを示した(Shimizu et al. Cancer Res.2004)。 さらに、 3)DIF-1の誘導体を化学合成して、in vitroで化学構造-作用相関解析を行い、新たに強力な抗腫瘍作用を有する化合物を発見した(投稿中)。
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Research Products
(3 results)