2003 Fiscal Year Annual Research Report
成熟精子に存在する特異抗原CD52の鼻腔免疫による避妊ワクチンの開発
Project/Area Number |
15590147
|
Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
赤谷 昭子 (長谷川 昭子) 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (50212402)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鍔本 浩志 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (80340975)
澤井 英明 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (80215904)
|
Keywords | 精子抗原 / 受精 / 避妊ワクチン / 不妊症 / 鼻腔免疫 / CD52 / 精巣上体 / 粘膜免疫 |
Research Abstract |
CD52はヒトにおいて最初に発見された、リンパ球と雄性生殖器官(mrt)に存在するglycosylphosphatydylinositol(GPI)アンカータンパクの一種である。アスパラギン結合型糖鎖にはmrt特異抗原が含まれるため、これを避妊ワクチン開発に応用できるのではないかと考え、マウスを用いたモデル実験を計画した。 まず、mrtCD52のタンパクレベルでの発現を確かめるために、データベースより得られたアミノ酸配列をもとにペプチド合成し、ウサギを免疫して標準となる抗mrtCD52抗体を作成した。ICR系またはFVB系のマウスの成熟雄マウスより、体細胞組織と生殖組織を採取、凍結切片を作成し、間接蛍光抗体法にてmrtCD52の組織内局在性を調べた。また、western blotting法により分子サイズを検討した。 その結果、マウスmrtCD52は脾臓組織も含め体細胞組織とはほとんど反応しなかった。生殖組織では、精巣、前立腺、精嚢腺とは反応しなかったが、精巣上体組織に強い反応が認められた。精巣上体頭部および体部では、基底膜と上皮細胞の細胞間に反応が局在していたが、尾部では上皮細胞絨毛部分に非常に強い反応が認められた。輸精管上皮細胞にも中程度の反応が認められた。Western blottihgでもこれと一致した結果が得られた。強い反応が見られたのは精巣上体と輸精管であった。しかし、精巣上体頭部および尾部では、分子サイズ20Kにバンドが検出されたが、輸精管では35Kに検出された。 以上より、マウスmrtCD52はヒトと同じくリンパ球系細胞よりむしろ雄生生殖器官に豊富に発現していること、組織のよりサイズの異なるmrtCD52が存在する可能性があることが明らかになった。次年度は、マウス精巣上体尾部より抗原を抽出し雌マウスを免疫し、抗体産生が起こるか否か検討する。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] Hasegawa, A.et al.: "Epitope analysis of human sperm-immobilizing monoclonal antibodies, MAb Hb-3C4,IG12 and campath-1"Molecular Human Reproduction. 9(6). 337-343 (2003)