2003 Fiscal Year Annual Research Report
排卵に関与する遺伝子の動態の検索による排卵機構の解明
Project/Area Number |
15590160
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山田 輝夫 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (00033225)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 順造 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30093686)
野村 貴子 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (20116437)
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Keywords | 卵巣 / 排卵 / 遺伝子 / マイクロアレー / 免疫組織染色 / アポトーシス / PMSG / hCG |
Research Abstract |
排卵は、ホルモン、サイトカイン、活性酸素種(ROS)などの種々の生体内物質が関与している。すなわち、細胞増殖系や血管新生系等の多くの遺伝子の発現や消退を伴った現象である。卵は、卵巣内に何万個といった数が産生されるが、排卵時にはその中の一つ(主席卵胞)の卵が選択され、残りの多くはapoptosisにより消去される。近年、卵胞の細胞がandrogenやestrogenなどの性ステロイドホルモン(ssh)の産生能を得た卵だけが排卵されると報告されている。また、申請者らは、これまでに排卵時にはROSが関与することを報告してきた。 以上の経過から申請者らは、排卵に関与する多くの遺伝子のなかで、sshとROSに関与する遺伝子を中心に系時的なup and down regulationをマイクロアレー(MA)と免疫組織染色法により検討すべくラット過排卵モデルを用いて研究中である。実験は、Wistar系雌性ラット(24日齢)を用いてpregnant mare serum gonadotropin (PMSG)10U/匹 腹腔内(ip)投与48時間後にhuman chorionic gonadotropin (hCG)10U/匹 ip投与後、6、9、12、18、24時間目(排卵前後)の卵巣をネンブタール麻酔下に摘出した。摘出された卵巣は、MA分析用にRNAを調整するとともに、組織染色用にパラフィン包埋を行っているところである。対照の卵巣は、無処置ラット(26日齢)と、PMSG ip投与48時間後に摘出した。MA分析用および組織染色用の試料は、それぞれ試料採取時に各5匹から卵巣を摘出した。 現在、MA分析用に系時的に取り出した卵巣からRNAを調整しつつ、免疫組織学的にestrogen receptor (ER)βは、顆粒細胞に、ERαは、莢膜細胞に強く発現すること、さらには、ssDNA抗体により一部の卵にapoptosisの出現を認めているところである。今後、いままでに採取した試料より種々の遺伝子の系時的なup and down regulationを、MA分析と免疫組織染色により明らかにし、排卵に関与する遺伝子の動的関係を検討していく予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Mayumi Honda: "Differential, histochemical and immunohistochemical changes in rat hepatocytes after isoflurane or sevoflurane exposure"Acta Med Okayama. 57(1). 1-12 (2003)
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[Publications] Hideki Hanada: "Cyclosporin A inhibits thyroid hormone-induced shortening of the tadpole tail through membrane permeability transition mechanism"Comp Biochem Physiol Part B. 136. 473-483 (2003)
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[Publications] Touji Kimura: "Quantification of in situ hybridization signals in rat testes"J Histochem Cytochem. 52(in press). (2004)