2004 Fiscal Year Annual Research Report
胚心臓発生過程でおこる心内膜床領域決定での転写因子TBX20の役割
Project/Area Number |
15590170
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
山岸 敏之 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (60255122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 裕司 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80207795)
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Keywords | 心臓発生 / 心房発生 / TBX |
Research Abstract |
これまでにニワトリ胚発生過程でtbx20が胚心臓の前後軸に沿った部域特異的な発現パターンを示すことを明らかにした。その過程でtbx20のほかtbx2、-5が心房の発生段階に応じて部位特異的に発現することを見いだした。そこで心房領域でのこれらの遺伝子群の発現時期と場所の詳細を調べるためにin situハイブリダイゼーションを行った。心房の原基は、静脈洞と原始心房であり、心房の形成過程では静脈洞の心房への取り込み、心房中隔の形成、そして肺静脈の発生などがおこる。この過程においてtbx2の発現はst14では房室管に、st16では房室管、背側心間膜に見られた。st19では房室管、心房中隔、背側心間膜に、st24では房室管、心房中隔に発現がみられた。そしてst27では房室管にのみ観察できた。一方、tbx5はst14では心房に、st16では心房、房室管、背側心間膜に発現した。st19では心房、房室管、心房中隔、背側心間膜に、st24では心房、房室管、心房中隔、背側心間膜、spina vestibuli、前主静脈にも発現が観察できた。st27では心房、房室管、心房中隔、spina vetibuli、大静脈、肺静脈を含む背側心間膜に強く発現した。そして、tbx20はst14、16では心房、房室管に発現が観察できた。st19では左側の心房、房室管、背側心間膜に、st24では心房、房室管、背側心間膜、spina betibuliに発現がみられた。st27では、心房、房室管、背側心間膜、spina vestibuli、心内膜床に強く発現した。これらの結果から、tbx遺伝子群の発現の組み合わせは、心房の部域化に関係している可能性があるものと推測された。
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Research Products
(1 results)