2005 Fiscal Year Annual Research Report
胚心蔵発生過程でおこる心内膜床領域決定での転写因子TBX20の役割
Project/Area Number |
15590170
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Research Institution | Saitama medical school |
Principal Investigator |
山岸 敏之 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (60255122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 裕司 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80207795)
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Keywords | 心臓発生 / 心内膜床 / TBX20 / ニワトリ胚 |
Research Abstract |
これまでにニワトリ胚発生過程で、TBX20が胚心臓の前後軸に沿った部域特異的な発現パターンを示すことを明らかにした。さらにTBX20のほかTBX2、-5が心房の発生段階に応じて部位特異的に発現することを見いだし、TBX2、-5、-20遺伝子の発現を詳細に調べたところTBX遺伝子群の発現の組み合わせが、心房の部域化に関係している可能性が明らかになった。つぎに房室管領域でのTBX20の役割を明らかにするため、TBX20の機能阻害実験を試みた。TBX20の塩基配列の情報をもとにニワトリTBX20にショウジョウバエengrailed2の転写抑制領域を結合させたドミナントネガティブタイプのTBX20(TBX20-en)を作製し、発現ベクターに組み込んだ。このTBX20-enを心内膜床領域の器官培養系で強制発現させてTBX20の機能阻害をおこなった。しかしながら、TBX20の機能阻害による影響は観察されず、心内皮細胞は間葉細胞に形質転換した。この原因として心筋細胞との共培養による心内皮細胞への遺伝子導入効率の低下が考えられた。そこで心筋の代替物として心筋と同様の生理活性をもつ心筋培養上清を作製し、心筋を除去後、心筋培養上清を加えて培養した心内皮細胞にtbx20-enの導入を試みた。その結果、TBX20を強制発現させたものでは心内皮細胞の形質転換が抑制された。これらの結果から、TBX20が少なくとも心内膜床形成過程で起こる心内皮細胞の形質転換に関与している可能性が明らかになった。
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