2004 Fiscal Year Annual Research Report
脂溶性物質が膵導管細胞における陰イオンチャネルに与える影響に関する研究
Project/Area Number |
15590196
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
相馬 義郎 大阪医科大学, 医学部, 助手 (60268183)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
進藤 昌彦 大阪医科大学, 医学部, 副手
窪田 隆裕 大阪医科大学, 医学部, 教授 (10084906)
宗宮 浩一 大阪医科大学, 医学部, 助手 (20319544)
石黒 洋 名古屋大学, 総合保健体育科学センター, 助教授 (90303651)
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Keywords | 膵臓 / 外分泌 / 膵導管細胞 / 重炭酸イオン / コレステロール / bicarbonate secretion / pancreatic duct / CFTR |
Research Abstract |
I)脂溶性物質のCFTRチャネル活性への影響とその作用機序 相馬とHwang(海外共同研究者)は、脂溶性物質anthracene-9-carboxylic acid(9-AC)は、従来考えていたようにMg^<2+>依存性脱燐酸化酵素の阻害することによって間接的にCFTRチャネル活性を増強するだけではなく、CFTR蛋白の燐酸化による活性調節部位(Rドメイン)以外の部位に直接的に作用して、CFTRチャネルを活性化しうることを示した。(Pflugers Arch.449:88-95)。 他方、進藤と相馬が行なった予備実験ではリノレン酸は、9-ACとは逆に、CFTRチャネル活性を抑制することが示された。このことは、これらの物質が、"脂溶性"であること以外に、CFTRチャネルのゲーティング機構に対してそれぞれ特異的な作用を持っていることを示唆しており、その作用機序を知るためには、まずCFTRチャネルのゲーティング機構自体の解明が必須であると考えられた。 II)CFTRチャネルのATP依存性ゲーティング機構の解明 CFTRチャネルは、nucleotide結合部位(NBD)におけるATPの加水分解に依存したゲーティングを行なう。相馬とHwangは、Rドメインを取り除いたCFTR変異体(ΔR-CFTR)が、チャネルの不活性化が起こりにくく、しかも野生型CFTRと同様なATP依存型ゲーティングを行うことを明らかにし、ΔR-CFTRがCFTRチャネルゲーティングの研究のための有用なモデルとなりうることを示した。また、CFTRチャネルのATP依存性活性のADPによる阻害が、既知であるADPのATPとの競合的阻害以外に、2つあるNBDのN末端側のドメイン(NBD1)にADPが結合することによっても引き起こされることを示した(J.Gen.Physiol.印刷中)。
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Research Products
(4 results)