2004 Fiscal Year Annual Research Report
アクアポリンによる細胞膨張性アミノ酸放出の制御機構
Project/Area Number |
15590202
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
挾間 章博 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (60218394)
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Keywords | グルタミン酸 / グリオーマ / C6 / 細胞膨張 / CL-チャンネル / グルコース / アミノ酸 / 低浸透圧 |
Research Abstract |
種々の細胞は、低浸透圧環境下におかれると細胞膨張を起こす。また、低酸素条件下(虚血条件下)においても細胞膨張を起こすことが知られている。本研究においては、グリオーマ細胞株C6を用いて、そのような細胞膨張時に、細胞内からアミノ酸(特にグルタミン酸)が放出されるかどうか、またアミノ酸放出にアクアポリンが関与するか否かを検討した。放出されたグルタミン酸の検出については、グルタミン酸脱水素酵素およびホルマザン色素(同仁化学WST-8)を用いた我々が開発した測定系を用いた。この測定系を利用すると1μM以上の濃度のグルタミン酸をプレートリーダを用いて効率よく測定することが出来る。C6細胞を用いて細胞外浸透圧を約7割に低下させると、それに応じて細胞外のグルタミン酸濃度は数μMから約20μMへと上昇が観察され、その上昇は、グルタミン酸の透過路の候補であるCl-チャネルの阻害薬では抑制されなかった。また、細胞外に代謝阻害剤であるNaN3を投与し、低酸素条件のモデルとした。NaN3投与においても低浸透圧条件と同様にグルタミン酸の上昇が認められ、その上昇はCl-チャネル阻害薬により抑制されなかった。また、グルタミン酸トランスポータ阻害薬でも抑制されなかった。一方で、bafilomycin A1投与によりグルタミン酸放出は抑制され、開口放出の関与が示唆された。アクアポリンの関与について、水チャネルの阻害薬であるHgC12により抑制が認められなかったが、HgC12自体の代謝阻害効果との関係から明らかな結論を出すのが困難であった。アクアポリンについては、AQP6について細胞内ベジクルに留まるwild typeと細胞膜まで移行するmutantが最近得られたことから、それを利用したアクアポリンの膜発現とアミノ酸放出の関係を調べているところである。また、細胞外グルコース投与によってもグルタミン酸放出の上昇が起こることを見出したが、その機序についても研究を進めている。
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Research Products
(1 results)