2003 Fiscal Year Annual Research Report
内分泌攪乱物質によるC1-ホメオスタシス破綻と神経細胞移動障害による神経回路異常
Project/Area Number |
15590207
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
山田 順子 静岡大学, 大学院・電子科学研究科, 助手 (30334965)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 浩一 浜松医科大学, 医学部, 助手 (80345818)
岡部 明仁 浜松医科大学, 医学部, 助手 (10313941)
福田 敦夫 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50254272)
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Keywords | 発達 / Chrolide / Cl^-ホメオスタシス / 神経回路 / トリブチルスズ / GFP / シナプス / 電気穿孔法 |
Research Abstract |
1.ラット胎仔脳への電気穿孔法を用いた遺伝子導入による移動細胞の可視化と[Cl^-]_i測定(山田、井上): 大脳皮質発達中の神経細胞を識別する為、子宮内胎仔への電気穿孔法による、GFP遺伝子導入で神経細胞を標識した。マウス胎生14-16日の胎仔の側脳室にCMV (cytomegalovirus)プロモーターによりGFPを発現するプラスミドを注入し、電気パルスを加え脳室帯の細胞にプラスミドを導入させたが、発現効率が非常に悪い為、プロモーターをCAG (Cytomegarovirus enhancer+chiken beta-actin promoter+rabbit beta-globin)に変更した。胎生15日齢で遺伝子導入したマウスでは、脳表近くにGFPで標識された細胞が到達しているのが観察された。同様に遺伝子導入したマウスを出産させ、生後7日齢で観察したところ、大脳皮質の6層構造のうち、2/3層に集積してGFPポジティブ細胞が観察された。このように、正常な発達過程のマウスの神経細胞を標識させる系を確立させた。また、グラミシジン穿孔パッチクランプ法によりGFPで標識された細胞で[Cl^-]_i濃度を測定できることも確認した。 2.内分泌攪乱物質胎内曝露モデルラットの作成と細胞移動異常の評価(福田、山田、岡部): 環境ホルモンとして知られるトリブチルスズの発達期の神経細胞への影響をみるため、マウス胎仔(胎生15日齢)の大脳皮質の初代培養を行った。培養4日目から培養液中にトリブチルスズ1nMから1μMの濃度で曝露した。3日間の曝露により、10nM以上の濃度では神経細胞の発達が阻害された。ホールセル・パッチクランプ法により残存した細胞のシナプス電流を観察したところ、5nM,3nMではコントロールと比べ自発性シナプス電流が有意に減少していた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Toyoda, H., Ohno, K., Yamada, J.et al.: "Induction of NMDA and GABA_A receptors-mediated Ca^<2+> oscillations with KCC2 mRNA downregulation in injured facial motoneurons"J.Neurophysiol.. 89. 1353-1362 (2003)
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[Publications] Ikeda M, Toyoda H, Yamada J, et al.: "Differential development of cation-chloride cotransporters and Cl^- homeostasis contributes to differential GABAergic actions between developing rat visual cortex and dorsal lateral geniculate nucleus"Brain Res.. 12. 149-159 (2003)
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[Publications] Isomura Y, Sugimoto M, Fujiwara-Tsukamoto Y, Yamada J. et al.: "Synaptically activated Cl^- accumulation responsible for depolarizing GABAergic responses in mature hippocampal neurons"J Neurophysiol. 90. 2752-2756 (2003)
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[Publications] Nakanishi, K., Watanabe, K., Kawabata, M., Fukuda, A.et al.: "Altered synaptic activities in cultures of neocortical neurons from prenatally X-irradiated rats"Neurosci.Lett.. 355. 61-64 (2004)