2003 Fiscal Year Annual Research Report
血管平滑筋の形質変換における筋線維の安定化と消失の機構の解明
Project/Area Number |
15590224
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
岡垣 壮 三重大学, 生物資源学部, 助教授 (80185412)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 彰男 群馬大学, 医学部, 助手 (30282388)
大井 淳史 三重大学, 生物資源学部, 助手 (70203693)
|
Keywords | 血管平滑筋 / 形質変換 / ミオシン / ミオシン線維 / 動脈硬化症 |
Research Abstract |
1)形質変換後の細胞骨格系蛋白質の発現の時間変化の定量化(岡垣、中村分担) 本年度は血管平滑筋細胞株AC01にPDGFを添加して、形質変換したのと同様な状態を試験管内で作成する条件を検討した。ディッシュの細胞密度を一定以下にして培養するとPDGFの添加により平滑筋のマーカー蛋白質の発現が有意に低下することがウェスタンブロッティングで確認できた。また逆にNa-butyrateを添加すると細胞の成長が停止し、平滑筋のマーカー蛋白質の発現が有意に増加することがウェスタンブロッティングで確認できた。これらの薬物の作用は細胞密度を一定以下に保つと再現性良く見られるようになったので、現在それぞれの状態の細胞からmRNAを精製している段階である今後形質変換後に特異的に発現する遺伝子、または平滑筋への分化に伴って特異的に発現する遺伝子を同定する試みを行うため、現在サブトラクションライブラリーを作成する準備をしている段階である。 2)ミオシン調節蛋白質の細胞内ソーティングの機構の解明(大井、岡垣分担) p32のシグナル配列を含む全長を大腸菌で発現し、ミオシンとの結合実験を行った。さらにN端から約20アミノ酸ずつ短くした変異蛋白質を3種類作成し、同様にミオシンとの結合実験を行った。シグナル配列を含む蛋白質4種類(シグナル配列全長をもつもの、及び上記の3種類の変異蛋白質)とシグナル配列を含まない蛋白質を比較すると、シグナル配列を含む蛋白質の方がいずれもミオシンとの結合能が高いことがわかり、シグナル配列がミオシンとの結合に関与していることが始めて明らかになた。このことを確認するため今後さらにペプチド抗体を用いて細胞内での分布を詳細に検討することにしている。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Farkas L, Mainasi-Csizmadia A, Nakamura A, Kohama K, Nyitray L: "Localization and characterization of the inhibitory Ca2+-binding site of Physarum polycephalum myosin II"J.Biol.Chem.. 278. 27399-27450 (2003)
-
[Publications] Gao, Y., K.Kawano, S.Yoshiyama, H.Kawamichi, X.Wang, A.Nakamura, K.Kohama: "Myosin light chain kinase stimulate smooth muscle myosin ATPase activity by binding to the myosin heads without phosphyorylating the myosin light chain"Biochem.Biophys.Res.Commun.. 305. 16-21 (2003)
-
[Publications] Iwasaki, W., H.Sasaki, A.Nakamura, K.Kohama, M.Tanokura: "Metal-free and Ca2+-bound structures of multidomain EF-hand protein, CBP40, from the lower eukaroyte Physarum polycephalum"Structure. 11. 75-85 (2003)