2004 Fiscal Year Annual Research Report
尿酸トランスポーターに結合するPDZK1による尿酸輸送機能調節メカニズム
Project/Area Number |
15590233
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
安西 尚彦 杏林大学, 医学部, 助手 (70276054)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金井 好克 杏林大学, 医学部, 教授 (60204533)
入部 雄司 杏林大学, 医学部, 助手 (20348618)
平田 拓 杏林大学, 医学部, 助手 (60372918)
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Keywords | 酵母Two-hybrid法 / 尿酸トランスポーター / PDZタンパク質 / 共免疫沈降法 / GSTプルダウンアッセイ / 近位尿細管 |
Research Abstract |
我々はこれまでに酵母Two-hybrid法を用いて腎臓尿酸トランスポーターURAT1の細胞内結合タンパク質PDZK1を同定し、部位指定突然変異導入法を用いた解析により、両タンパク質の結合にはタンパク質間相互作用に代表的なPDZ相互作用を介して生じること、また哺乳類培養細胞HEK293へのURAT1・PDZK1共遺伝子導入により、URAT1の尿酸輸送が増加することを明らかにしていた。 昨年度の科学研究費補助金助成により、 1)URAT1とPDZK1の結合が、共免疫沈降法やGSTプルダウンアッセイ等の生化学的手法によっても確認されること、2)URAT1発現HEK293細胞にPDZK1遺伝子導入を行い、尿酸輸送キネティクス解析を行った結果、PDZK1共発現はKmを変えることなく、Vmaxのみを変化させること、更に3)ヒト腎臓組織連続切片に対し、抗ヒトURAT1抗体および抗ヒトPDZK1抗体を用いて免疫組織染色を行ったところ、腎近位尿細管管腔側膜に両タンパク質の局在を認め、またヒト腎臓由来タンパク質に対し、上記抗体を用いて共免疫沈降実験を行った所、URAT1とPDZK1の結合を確認することができたことを報告した。 さらに本年度の科学研究費補助金助成により、以下の点が明らかにされた。 1)表面プラズモン共鳴法を用いた解析により、URAT1のC末端とPDZK1の第1、第2および第4PDZドメインとの結合親和性は1.9-51.6nMであり、PDZ相互作用に一般的は範囲内にあること 2)表面ビオチン化法による細胞膜上URAT1タンパク質発現量はPDZK1共発現により1.6倍に増加すること。このことからURAT1輸送機能の活性化は形質膜上でのタンパク質発現量の増加ないし安定化よることが強く示唆された。 3)ヒトPDZK1の2つのSNPsのうち、ドメイン4直前に存在するV372EはURAT1との結合に影響しなかったが、ドメイン2の中央に位置するY145HではURAT1との結合が認められなかった。 これらの結果は肝臓においてURAT1とPDZK1の結合が、生理的及び病態生理学的な面からも重要であることを強く示唆し、今後本相互作用を薬物標的とした新規高尿酸血症治療薬開発への端緒となると考えられた。
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Research Products
(6 results)