2004 Fiscal Year Annual Research Report
ポリフェノール化合物の抗ウイルスおよび抗腫瘍活性に関する研究
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15590238
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Research Institution | St.Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
中島 秀喜 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (20192669)
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Keywords | 抗HIV活性 / 抗ヘルペスウイルス活性 / アポトーシス / マウスメラーノーマ / 肺転移 / ラジカル / レドックス反応 / 耐性遺伝子 |
Research Abstract |
1)抗ウイルス活性評価 (1)抗HIV活性測定試験:抗HIV活性評価試験としては、ヒトCD4陽性T細胞株であるMT-4細胞にHIVを感染させ、いろいろな濃度の試験薬剤を加えて培養し、ウイルス感染によって生じる細胞変性効果(CPE)の阻止力を検討することで活性を評価した。CPEの阻止は、MTT法で測定した。試験した物質は、アルキルオリゴ多糖類、合成ペプチドなどの化合物およびインド産医用植物であるIndigofera cordifora抽出物などについて検討した。 (2)抗HSV活性測定試験:単純ヘルペスウイルスの感染・増殖に対する抑制効果を、Vero細胞を感染標的細胞とした実験系で、上記の試験物質によるCPE阻止力で評価した。 2)抗腫瘍活性評価 (1)ヒト口腔腫瘍細胞株である、HSG、HSC-2、HSC-3およびヒト正常細胞であるHGF、HPC、HPLFに対する、上記試験物質の増殖抑制効果を検討した。 (2)DNAフラグメンテーション:試験物質のアポトーシス抑制作用を、試験物質で処理した細胞のDNAフラグメンテーションをみることにより検討した。 (3)抗がん薬に対する多剤耐性遺伝子であるMDR1/AをトランスフェクションしたマウスTリンパ球細胞株であるL5178細胞を用いて、耐性遺伝子の発現抑制作用を検討した。 (4)他に、カスパーゼ活性測定やESR spectroscopyを用いてラジカル活性を測定することで、試験物質の抗腫瘍効果を検討した。 (5)ケモカインレセプターCXCR4のアンタゴニストである合成ペプチドT134やT140の誘導体のメラノーマ細胞転移抑制効果についても検討を行った。 上記試験結果より、種々の植物抽出物中に有意な抗腫瘍活性や多剤耐性遺伝子の発現抑制作用があることが分かった。また、CXCR4アンタゴニストがマウスメラノーマ細胞の肺転移を抑制することも分かった。
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Research Products
(7 results)