2003 Fiscal Year Annual Research Report
神経回路網形成過程における細胞内シグナル伝達機構の解析
Project/Area Number |
15590247
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
柳 茂 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (60252003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山村 博平 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90030882)
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Keywords | CRAM / CRMP-5 / セマホリン / Axon Pruning / Filopodia |
Research Abstract |
神経発生過程において伸展中の軸索がセマホリンなどの反発因子、ネトリンなどの誘因因子に導かれながら最終的に標的細胞とシナプスをつくることにより神経回路網が形成される。また、セマホリンは受容体であるプレキシンと共に不要になった軸索の除去機構(Axon pruning)にも関与していることが報告されている。最近、セマホリンの受容体であるプレキシンと結合し、セマホリンシグナルに必須の役割をする蛋白質として酸化還元酵素であるMICALが同定され、神経ガイダンスにレドックスが関与していることが示唆され、注目されている。一方、CRMPはセマホリンなどの反発性の神経ガイダンス機構に関与する細胞内蛋白質として同定されたが、その機能は未だ不明な点が多い。私達は以前の研究において、CRMPに結合する新規のunc-33遺伝子ファミリーに属する蛋白質CRAM(CRMP-5)を同定した。CRMPと異なるCRAM独特の役割についてこれまでに得られた知見を以下に報告する。 CRAMに関する実験結果 1.CRAMは海馬神経細胞においてFilopodiaに強い集積が認められた。 2.CRAMを海馬神経細胞に過剰発現させるとFilopodiaの伸展と成長円錐の過剰形成が認められた。 3.CRAMを過剰発現した成長円錐はセマホリンによる崩壊活性が消失した。 4.RNAi法を用いてCRAMをノックダウンすると、成長円錐の崩壊と微小管の不安定化が認められた。 以上の結果よりCRAMがFilopodiaと成長円錐のDevelopmentに関与していること、そしてセマホリンシグナルを負に制御している可能性が推測された。
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Research Products
(1 results)