2004 Fiscal Year Annual Research Report
抗酸化酵素の核移行と細胞核内活性酸素代謝機構の解明
Project/Area Number |
15590258
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 敬一郎 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (70221322)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大河原 知水 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (50330452)
藤原 範子 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (10368532)
江口 裕伸 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (60351798)
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Keywords | 活性酸素 / スーパーオキシドジスムターゼ / 細胞外型SOD / 酸化ストレス / 核移行シグナル / DNA傷害 / 突然変異 |
Research Abstract |
平成15年度までに行った、各種EC-SOD変異体による発現ベクターの作成とこれを用いて確立したEC-SOD取り込みアッセイ系を用いて、平成16年度は下記の研究が進行している。 1.EC-SODの細胞内取り込み EC-SODが生理的に豊富に存在する組織(血管平滑筋、脂肪組織、肺胞上皮)由来の細胞株と、リコンビナントEC-SODの相互作用を検討し、脂肪前駆細胞である3T3-L1はそれ自身EC-SODを発現しており、また、外部から加えたEC-SODを効率的に取り込むことを明らかにした。 さらに、3T3-L1によるEC-SODの取り込みに対する一酸化窒素の影響を調べるため、NOドナーのEC-SOD取り込みと核移行に対する効果を調べたところ、NOは、細胞内取り込みを促進した。 2.EC-SODの核移行と転写調節機構 EC-SODは酸化ストレスに反応して細胞内の局在が変化し、細胞核内移行は、酸化ストレスによる障害防御に関与する。(Biochem.Biophys.Res.Commun.,296,54-61,2002).EC-SODのN末端の構造が細胞内分布に重要であることから、EC-SODの転写開始点の解析を行っている。EC-SODの転写開始点は、従来報告されている1番目のエキソンを含むものの他に、より下流側の転写開始点に依存するものがあり、実際にはエキソン1を含まないものが多数を占めることが明らかになった。また、EC-SODの5'上流領域には、RNA結合タンパク質による翻訳調節に関与するエレメントが予想されており、転写開始点の選択は、BC-SODの局在のみならず、翻訳調節によるタンパクレベルの調節にも関与している可能性が示唆されており、現在、転写開始位置の調節機構と、EC-SODの生理的役割、および、核移行の関与について検討を進めている。
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Research Products
(5 results)