2004 Fiscal Year Annual Research Report
自己免疫疾患インシュリン依存型糖尿病の発症機構の解析
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15590269
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Research Institution | Shinshu University Graduate School of Medicine |
Principal Investigator |
林 琢磨 信州大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (60359726)
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Keywords | IFN-γ / LMP2 / JAK1 / NOD / IRF-1 / IDDM / immuno-proteasome |
Research Abstract |
自己免疫疾患の発症は、複数の遺伝子の異常発現の複雑な絡みを基盤としたポリジェネテイックなリスクファクターに起因されている。最近、そのリスクファクターの1つとして、免疫細胞で有意に認められるアポトーシスと自己免疫疾患の発症と関連性が指摘されている。NODマウスでのインシュリン依存性糖尿病(IDDM)の発症率は、生後30週令までの累計でメス80%、オス20%と明らかな性差が確認されている。免疫細胞内での蛋白分解酵素26Sプロテアソームの構成因子の1つであるLMP2の発現低下が、NODマウスのメスの免疫細胞において有意に認められ、LMP2の発現低下異常は組織特異的かつ週令依存的に顕著に認められることが、申請者により報告された。さらに、NODマウスの免疫細胞では、LMP2の発現低下とそれに伴う26Sプロテアソームの不活性化が認められ、TNF-αに誘導されるアポトーシスに著しく感受性である。この生物学的異常は、IDDMの発症に強い相関性が認められる。そこで、科学研究費補助金をもとに、申請者らは、LMP2遺伝子の発現機序を分子生物学的手法において解析を行った。LMP2の発現は、インターフェロン-γ(IFN-γ)により刺激された免疫細胞内において著しく誘導される。そこで、IFN-γシグナル(JAK1/Stat1/IRF-1シグナルカスケード)によるLMP2遺伝子のポジティブな誘導性について、JAK1欠損細胞とIRF-1欠損細胞において検討を行った。その結果、IFN-γにより刺激された細胞では、JAK1の活性化依存的に転写制御因子IRF-1の発現が強く誘導され、IRF-1によってLMP2遺伝子が著しくポジティブに誘導されることが明らかとされた。現在、NODマウスの免疫細胞における、IFN-γの刺激によるJAK1およびIRF-1の活性化について検討を行っており、IDDMの発症におけるIFN-γシグナル(JAK1/Stat1/IRF-1シグナルカスケード)の欠陥性の関与についてさらに検討をおこなっている。
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Research Products
(5 results)