2003 Fiscal Year Annual Research Report
HOILユビキチンリガーゼのB型肝炎ウィルスXタンパク質の機能に与える影響
Project/Area Number |
15590279
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
徳永 文稔 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (00212069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桐浴 隆嘉 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (30347497)
岩井 一宏 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60252459)
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Keywords | ユビキチン / B型肝炎ウィルス / 肝細胞癌 / トランス活性化 |
Research Abstract |
我々が酸化ダメージ蛋白質を選択的に認識するユビキチンリガーゼとして同定したHOIL-1は、以前にB型肝炎ウィルスの病因蛋白質(HBx)に結合する細胞内因子(XAP3)として報告されていた分子と同一であった。これはユビキチン系がB型肝炎ウィルスによる肝細胞癌発癌に関与する可能性を示唆する。そこで本年度の研究において我々は、HBxによる病態発現へのHOIL-1の関与を明らかにする目的で、HOIL-1とHBxの細胞内結合、及びHBxのトランス活性化能に与えるHOIL-1の影響を調べた。その結果、1)HOIL-1は分子内のユビキチン様ドメイン(28〜88番目)を介してHBxに結合することが示された。2)HBxのHOIL-1結合部位はC末端近傍(122〜139番目)であると示された。3)HBxはヒト肝癌由来のHepG2細胞とHep3B細胞内でRous sarcoma virus(RSV)、AP1、NFkBなどのプロモーターをもつルシフェラーゼ(Luc)活性は、3〜10倍上昇させるが、このトランス活性化能に重要な領域はHOIL-1結合部位近傍であった。4)HOIL-1に対するsiRNAを用いてHep3B細胞にて内在性HOIL-1をノックダウンすると、HBxのRSV-Luc活性はコントロールRNA発現時に比べ1.5~2倍上昇した。以上の結果から、HOIL-1はユビキチン様ドメインを介してHBxのC末端部のトランス活性化領域近傍に会合し、HBxのトランス活性化を抑制すると結論された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Tokunaga, F. et al.: "N-Linked oligosaccharide processing, but not association with calnexin/calreticulin is highly correlated with endoplasmic reticulum-associated degradation of antithrombin Glu-313-deleted mutant"Archives of Biochemistry and Biophysics. 411・(2). 235-243 (2003)
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[Publications] Yamanaka, K. et al.: "Identification of the ubiquitin-protein ligase that recognizes oxidized IRP2"Nature Cell Biology. 5・(4). 336-340 (2003)
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[Publications] Yoshida, Y. et al.: "Fbs2 is a new member of the E3 ubiquitin ligase family that recognizes sugar chains"Journal of Biological Chemistry. 278・(44). 43877-43884 (2003)
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[Publications] 徳永文稔, 他: "廣川タンパク質化学 第1巻 毒素タンパク質 I動物由来毒素タンパク質"廣川書店. 247 (2003)