2004 Fiscal Year Annual Research Report
全身性自己免疫疾患モデルマウスにおける免疫寛容破綻を規定する責任遺伝子の探索
Project/Area Number |
15590282
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Research Institution | Toin University of Yokohama |
Principal Investigator |
西村 裕之 桐蔭横浜大学, 工学部, 教授 (60189313)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小寺 洋 桐蔭横浜大学, 工学部, 助教授 (80205426)
広瀬 幸子 順天堂大学, 医学部, 助教授 (00127127)
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Keywords | 全身性自己免疫疾患 / 遺伝支配 / NZB系マウス / C57BL / 6系マウス / 免疫グロブリン / 免疫寛容 / ポリエチレングリコール / 連鎖解析 |
Research Abstract |
全身性自己免疫疾患の遺伝支配を明らかにするためには、発症に先だって表現される、疾患感受性に密接に相関する量的形質について連鎖解析を行うことが有効と考えられる。我々はNew Zealand Black(NZB)系マウスにおいて、自己免疫病態を示す以前の若齢期より、凝集物を除去したウシ免疫グロブリン(DBGG)を用いて誘導する免疫寛容誘導が不完全である現象に着目し、(NZB x C57BL/6)F2マウスにおいて量的遺伝学の方法を用いて責任遺伝子座の検索を行った。その結果Fc受容体遺伝子群を含む第1染色体テロメア近傍に責任遺伝子の存在が示唆された。従来DBGGはT細胞とB細胞の両者において抗原特異的寛容を誘導すると報告されてきたが機序の詳細は不明である。今回我々は、Fc受容体を介した非特異的効果を除外できる免疫寛容原として、ポリエチレングリコール(PEG)で化学修飾した卵白アルブミン(OVA)を用い、NZB系の免疫寛容誘導能の異常とその遺伝支配を調べた。 分子量10,000のPEGをOVAのアミノ基に結合させPEG修飾OVA(PEG-OVA)を得た。8週齢のNZBおよびC57BL/6マウスに対してPEG-OVAを一週間おきに3回腹腔内投与し、OVA特異的な免疫寛容の誘導を比較した。C57BL/6系マウスではPEG-OVAの前投与によって、アジュバントとともにOVAで免疫した際のOVA特異的IgG産生が約1/100に抑制されたが、 NZB系マウスでは逆に100倍程度に促進された。このことはNZB系ではPEG-OVAがOVAに対して免疫寛容ではなく一次免疫応答を誘導したことを示す。現在我々はこの現象の遺伝支配を(NZB x C57BL/6)F2マウスにおいて検討した。その結果、第一染色体テロメア近傍の連鎖の可能性が示唆される領域を見いだした。現在、さらに詳細に検討を進めている。
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Research Products
(1 results)