2003 Fiscal Year Annual Research Report
ミニ染色体を用いた,遺伝子導入のための,ヒト人工染色体ベクターの構築と応用
Project/Area Number |
15590293
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
要 匡 琉球大学, 医学部, 助教授 (40264288)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳 久美子 琉球大学, 医学部, 助手 (90294701)
成冨 研二 琉球大学, 医学部, 教授 (20101446)
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Keywords | ヒト人工染色体 / BAC / X染色体 / 部位特異的組換え / 遺伝子治療 / DT40 / 相同組換え |
Research Abstract |
<ミニ染色体改変システムの構築と検証> 研究は、DT40 (chicken pre-B cell line)を用いて行った。 1)BAC(細菌人工染色体)導入システムの構築 まず、テロメア断片化ベクターにより作成された、約2.7MbのヒトX染色体由来ミニ染色体に、さらに改変を加えた。ミニ染色体の短腕側テロメア近傍に、変異lox71を間にはさむblasticidin耐性遺伝子(bsR)発現ユニットを、相同組換えを利用して導入した。Blasticidin耐性クローンに対する相同組換えクローンの割合は、約40%であった。得られたbsR導入クローンを、サザン法で確認したのち、IaA1と名付けたクローンをその後の研究に使用した。導入するBACクローンの改変については、既に作成済み(Kaname and Huxley, BioTechniques 31:273(2001))であったが、その構造は、ヒトHPRT遺伝子をもつBACのベクター部分に、変異lox66の下流にneomycin耐性遺伝子(neoR)を結合させた(プロモーターは無し)ユニットを挿入したものである(HPRTBAC66D2)。 2)導入システムの検証 HPRTBAC66D2を、Cre発現ベクターと共に、電気穿孔法にてIaA1クローンへ導入し、G418耐性クローンを得た。これら耐性クローンについてblasticidin感受性の有無の確認や、組換え部位のPCR、BACインサート内のPCR(8部位)、サザンブロット、FISH法を用いた構造解析により、正確に挿入がおこっているクローンを確認した。HPRTBAC66D2(全長170kb)を用いた場合の、挿入効率は約70%、コントロールとして用いたneoRユニットのみをもつプラスミド(約4.5kb)を用いた場合の挿入効率は100%であった。以上より、遺伝子全体を含むBACクローンを容易に、かつ効率よくミニ染色体へ挿入し、任意のゲノム遺伝子を含むヒト人工染色体を作成するシステムが構築できた。 さらに、改変後のミニ染色体において、導入したヒトHPRT遺伝子の発現の有無をRT-PCR法にて確認したところ、すべての改変クローンにおいて遺伝子発現が認められた。よって、このシステムは、遺伝子導入のための、ヒト人工染色体ベクター構築を可能にすると考えられた(投稿準備中)。
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Research Products
(1 results)