2005 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト乳癌におけるエストロゲン作用機序の解明-応答遺伝子を中心にした多角的解析-
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15590294
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 貴 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (10261629)
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Keywords | Breast cancer / Estrogen / Efp / PPAR |
Research Abstract |
平成15年度に行った大規模マイクロアレーの結果を受けて、今年度は乳癌におけるEfp(estrogen-responsive finger protein)の発現を検討した。 まず乳癌組織30例を用いてEfpの発現をLCM/real-time PCRおよび免疫染色で検討すると、乳癌細胞におけるEfp mRNAレベルはEfp immunoreactivityとよく相関していた。次に乳癌組織151例におけるEfpの発現を免疫組織化学的に検討すると、73%の症例でEfp陽性像が観察された。Efp陽性乳癌はestrogen receptor(ER)αやリンパ節転移と正相関する一方、組織学的分化度や14-3-3σの発現と有意に逆相関性を示した。またEfp陽性乳癌は有意に予後不良傾向を示し、Efp immunoreactivityは独立した予後因子であった。この傾向は乳癌組織におけるERαステータスによらず、ERα陰性癌でも同様であった。以上の結果から、Efpはエストロゲン依存性乳癌増殖に深く関与したエストロゲン応答遺伝子と考えられ、その機序の一部としてnegative cell cycle checkpointである14-3-3σをタンパクレベルで制御している可能性が推察された。 また昨年度行っていたPPARγとERαとのクロストークに関して、本年度も実験を継続して行った。その結果、PPARγを活性化させるとMCF7乳癌細胞におけるエストロゲン依存性細胞増殖は抑制され、その機序の一部はp21やp27の誘導によることが示された。
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Research Products
(6 results)