2003 Fiscal Year Annual Research Report
チロシンフォスファターゼSHP1遺伝子発現異常と悪性リンパ腫白血病発症機構の解析
Project/Area Number |
15590302
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
岡 剛史 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (50160651)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大内田 守 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (80213635)
林 一彦 鳥取大学, 医学部, 教授 (30180962)
吉野 正 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70183704)
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Keywords | leukemia / lymphoma / SHP1 / methylation / LOH / tissue microarray / cDNA microarray |
Research Abstract |
cDNA expression array法及び病理組織micro-array法を用いてGenomeの発現様式を総括的、かつシステマチックに行い、NK/Tリンパ腫発症に関与する遺伝子群の分子病理学的解析をすることにより腫瘍発生機構を解明することを目的に本研究を始めた。その結果血球系特異的protein-tyrosine-phosphatase SHP1(SH-PTP1)のmRNAの強い発現抑制が検出された。SHP1タンパク質の強い発現抑制は、病理組織microarrayによる解析より100%のNK/T lymphomaの検体で認められるほか、その他様々な悪性リンパ腫においても高い頻度で発現の抑制が認められ、広範な種類の悪性リンパ腫・白血病の腫瘍化との強い関連が疑われた。様々な種類の血球系培養細胞を用いた解析より、多くの悪性リンパ腫・白血病の培養細胞株においてSHP1蛋白の発現低下あるいは消失が認められ、特に高悪性度の悪性リンパ腫・白血病において強くその傾向が認められた。 さらにSHP1蛋白発現抑制の機構を明らかにする目的でDNA methylationの解析を行った。様々な種類の白血病・リンパ腫の細胞株、及び患者検体において、メチル化特異的PCR、bisulfite sequencingなどによりSHP1遺伝子のプロモーター領域のメチル化が高頻度に検出され、SHP1遺伝子発現抑制のデータと良く相関した。メチル化の頻度は、high grade MALTリンパ腫症例の方がlow grade MALTリンパ腫症例より有意に高く、メチル化によるSHP1遺伝子の発現抑制がリンパ腫の進展にも関与していることが示唆された。また細胞株に脱メチル化剤を処理すると、SHP1蛋白の発現が回復した。さらにSHP1遺伝子を発現していない白血病細胞に正常なSHP1遺伝子を導入すると白血病細胞の増殖が抑制された。以上のデータはSHP1遺伝子が癌抑制遺伝子である可能性を支持し、SHP1遺伝子の発現抑制がリンパ腫や白血病の発症に重要であると同時に、診断および予後のマーカー、遺伝子治療の標的としても重要であると考えられた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 岡 剛史, 大内田守: "難治性リンパ腫発症関連遺伝子SHP1に関する最新知見"日本臨床. 61(11). 2025-2032 (2003)
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[Publications] Hayashi K., Oka T., et al.: "Rabbit model for human EBV-associated hemophagocytic syndrome (HPS)"Amer.J.Pathol. 162. 1721-1736 (2003)
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[Publications] Maho Koyama, Takashi Oka, et al.: "Activated proliferation of B-cell lymphomas/leukemias with the SHP1 gene silening by aberrant CpG methylation"Lab Invest. 83(12). 1849-1858 (2003)
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[Publications] Hayashi K., Oka T., et al.: "Therapeutic trial for a rabbit model of EBV-associated hemophagocytic syndrome (HPS) : Effects of vidarabine or CHOP, and development of Herpersvirus papio"Histol Histopathol. 18. 1155-1166 (2003)