2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15590307
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Research Institution | FUKUSHIMA MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
中村 直哉 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (50227922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 優子 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (60305357)
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Keywords | 悪性リンパ腫 / びまん性大細胞型Bリンパ腫 / 乳腺 / immunohistochemistry / immunoglobulin heavy chain / cDNA microarray / non-germinal center B type |
Research Abstract |
乳腺に発生したびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(diffuse largeB-cell lymphoma,DLBCL)29例のうち、乳腺腫瘤のみ(stage IE)、乳腺腫瘤と同側の腋窩リンパ節に病変が及ぶ症例(stage II E)を乳腺原発DLBCLとして解析したところ、免疫組織化学によるマーカー解析でCD3;0/15(陽性数/検索数),CD5;2/15,CD10;0/15,CD20;15/15,CD21;0/15,CD23;0/15,CD27;0/15,CD30;1/15,CD40;4/15,CD56;0/15,CD138;0/15,Bcl-2;10/15,Bcl-6;5/15,IRF4/MUM1:15/15,granzyme B;0/15,LMP-1;0/15,Pax-5;4/15,p21;0/15,p27;7/15,p53;0/15,TdT;0/15,TIA-1;0/15であった。MIB-1 indexは59.5%〜95.2%で平均79.2%を示した。以上の結果から、乳腺原発悪性リンパ腫はDLBCLの予後不良群であるCD10^- Bcl-6^<+/-> IRF4/MUM1^+ non-germinal center B cell DLBCL群(もしくはactivated B-cell DLBCL群)に属し、さらに腫瘍の増殖力に関係するMIB indexが高値を示すことがわかった。これらの生物学的な所見が臨床病理学的に予後不良であることに関連していると考えられたので、乳腺原発DLBCLが高い増殖性を示す理由を明らかにする目的で以下の解析を行った。 乳腺原発DLBCLと節性DLBCLをそれぞれ4例づつ選択し、凍結標本からmRNAを抽出してhuman 10K oligotipを用いたcDNA microarrayにより多数の遺伝子発現を2群間で比較検討した。症例の選択にはその他の要因を排除するために症例およびリンパ腫病変の背景を一致させるように努めた。すなわち、症例はいずれも女性で年齢は30歳以上、組織像はいずれもDLBCL,centroblastic variantを示し、免疫組織化学からnon-germinal center B cell DLBCL群に含まれることである。その結果、乳腺原発DLBCL(cases 1-4)と節性DLBCL(cases 5-8)では発現パターンの違いを認めた。また、cases 1,3,4,7を含む群ではその他の症例を含む群と明らかに発現パターンに違いが見られたので、その内容について詳細な検討を行っている。また、Bcl-6発現の有無により異なるパターンを示す可能性も併せて検討中である。
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Research Products
(1 results)