2003 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト胃癌・大腸癌における脂肪酸結合蛋白の発現とその生物学的役割
Project/Area Number |
15590308
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
鈴木 利光 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (80018952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日下部 崇 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (10325954)
杉野 隆 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (90171165)
渡辺 一男 福島県立医科大学, 医学部, 助教授 (80167105)
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Keywords | 胃癌 / 大腸癌 / 肝癌脂肪酸結合蛋白 / 心筋型脂肪酸結合蛋白 / 脂肪酸合成酵素 / 浸潤 / 転移 / 予後 |
Research Abstract |
1.胃癌における脂肪酸合成酵素(FAS)、肝型脂肪酸結合蛋白(L-FABP)と心筋型脂肪酸結合蛋白(H-FABP)の発現について免疫組織化学的に調べ以下の結果を得た。 (1)H-FABPは669例の胃癌中に127例(19%)に発現が認められ、陽性例では浸潤(p<0.0001)、脈管侵襲(p<0.0001)、リンパ節転移(p<0.0001)、肝転移(p<0.0011)、病期(p<0.0001)および予後(P=0.0004)との相関がみられた。H-FABPとFASの発現にも関連性が認められた(p=0.0476)(Pathobiology,印刷中)。 (2)L-FABPは667例の胃癌中253例(38%)に発現が認められたが、FASの発現、臨床病理学的事項、予後との関連性はみられなかった(Pathobiology,印刷中)。 (3)L-FABP、H-FABPとも胃腺腫では稀にしかあるいは全く発現が認められなかった。 (4)胃癌株TKGWはL-FABPと産生するがそのFABPは二次元電気泳動で肝L-FABPとの相同性が示唆された。 2.大腸癌におけるH-FABPとL-FABPの発現 (1)細胞株4種では、全株にH-FABPの発現を認めたが、L-FABPの発現はみられなかった。この他に、全株にglucose transpoter-1の発現が観察された。 (2)58例の大腸癌では、H-FABPは55例(95%)、L-FABPは47例(81%)と高率に発現が認められた。今後、症例を追加し、臨床病理学的事項との関連性を検討する予定である。 (3)長鎖脂肪酸パルミチン酸を大腸癌株4種に添加培養したが、形態学的な変化はみられず、脂肪の蓄積も確認できなかった。ATP産生量の変化およびL-FABP、H-FABPmRNAの変動については目下解析中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Takashi Tajino: "Expression of fatty acid synthase as a prognostic indicator in soft tissue sarcomas"Clinical Cancer Research. 9, June. 2204-2212 (2003)
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[Publications] Takeaki Hashimoto: "Liver-type fatty acid-binding protein is highly expressed in intestinal metaplasia and subset of carcinoma of the stomach"Pathobiology. 印刷中.
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[Publications] Takeaki Hashimoto: "Expression of heart-type fatty acid-binding protein in human gastric carcinoma"印刷中.