2004 Fiscal Year Annual Research Report
CHOP療法抵抗性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫を治療前に識別する因子の研究
Project/Area Number |
15590325
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
鈴宮 淳司 福岡大学, 医学部, 助教授 (70206556)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 孝一 福岡大学, 医学部, 助教授 (50203766)
鍋島 一樹 福岡大学, 医学部, 助教授 (40189189)
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Keywords | 悪性リンパ腫 / DLBCL / CHOP療法 / cDNAマイクロアレイ / mRNA |
Research Abstract |
びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)は最も多いリンパ腫で、進行期の標準治療はCHOP療法であるが、10〜20%がCHOP療法抵抗性もしくは難反応性である。CHOP療法施行前に治療抵抗性が分かれば、別の治療法を選択することが可能である。この治療抵抗性リンパ腫の遺伝子学的特徴を明らかにすることを目的とする。 福岡大学病理学教室で診断した症例のうち、1997年から1月から2004年3月の間に初回CHOP治療がされたDLBCLをその治療反応性により、治療反応抵抗群(R群:7例)と治療反応良好群(S群:6例)に分けた。それぞれからRNAを抽出し、cancer chipを用いたcDNAマイクロアレイを使って治療抵抗性遺伝子の候補をスクリーニングする。結果として(1)Cancer chip上の全ての遺伝子(884個)を用いてクラスタリングしたが、S群とR群ではクラスターを形成せず、全体として比較的均一な発現パターンを示した。(2)S群とR群において、Student t testにてp<0.05でかつそれぞれの平均値の差が3倍以上の遺伝子群を抽出し、クラスタリングを実施し、S群とR群は明瞭な二つのクラスターを形成した。これらの抽出された遺伝子は治療抵抗性にかかわる可能性があると考えられた。(3)以上の作業で抽出した遺伝子の中で、PRAMEに関して、RT-PCRを用いてmRNAの発現を確認した。R群は6例中3例、S群は6例中1例の発現がみられた。(4)次にDLBCL77例をRT-PCRによりmRNAの発現を検討した。初回治療の反応性と6ヶ月の全生存率の検討から、PRAME陽性群は陰性群に比較し予後不良である傾向がみられた。以上の結果から、PRAMEはDLBCLの治療抵抗性に関与する可能性がある。この結果は2005年6月ルガノ国際悪性リンパ腫会議で報告予定で、英文誌に投稿準備中である。
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Research Products
(6 results)