2004 Fiscal Year Annual Research Report
転移関連蛋白S100A4と血管新生関連蛋白MetAP2の会合の生理的・病的意義
Project/Area Number |
15590331
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 均 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (70183829)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝霧 成挙 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, COE特任助手
遠藤 英也 鳥取大学, 医学部, 名誉教授
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Keywords | 血管内皮細胞 / 血管新生 / カルシウム結合蛋白質 / 癌 / 転移 |
Research Abstract |
癌の転移関連タンパク質として知られているカルシウム結合蛋白質S100A4が、血管新生関連タンパク質メチオニンアミノペプチダーゼ2(MetAP2)とカルシウム依存性にin vitroで分子会合すること、血管内皮細胞の細胞質内で両蛋白質がco-localizeしていることを明らかにしてきた(J.Biol.Chem.2002)。さらに、両蛋白質の結合部位がMetAP2のN端から170-229番目のアミノ酸からなるペプチド内に存在することも明らかになった。メチオニンアミノペプチダーゼ2(MetAP2)が血管新生阻害剤fumagillinやovalicin等の分子標的であり血管内皮細胞の増殖に重要な役割を果たしていることから、両蛋白質の分子会合が確かに血管新生に関与しているか否かを検索するためにマウス血管内皮細胞MSS31に結合ドメインを過剰発現させた。すると、増殖因子bFGFで誘導してもBrdUの取り込みで調べたMSS31マウス血管内皮細胞のDNA合成能は強く抑制された。しかしその際、カルシウムイオンの細胞内上昇には変化が認められなかった。これらの実験結果は、癌細胞から分泌される増殖因子がパラクライン的に血管内皮細胞を刺激し、一過性に細胞内カルシウム濃度が高まり、それによってS100A4が活性化してMetAP2と会合し血管内皮細胞の増殖さらには血管新生を制御しているのではないかということを強く示唆している。
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Research Products
(2 results)