2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15590362
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Research Institution | Institute for Developmental Research, Aichi Human Service Center |
Principal Investigator |
中山 敦雄 愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 発生障害学部, 部長 (50227964)
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Keywords | RFX1 / 転写調節 / p120^<E4F> / MAP1Aプロモーター / PCNAプロモーター / アデノウイルスE1A / レポーターアッセイ / クロマチン免疫沈降 |
Research Abstract |
微小管結合蛋白MAP1Aを始め様々な遺伝子の転写制御に関与する転写因子群RFXのうち、プロトタイプであるRFX1の転写制御機構を明らかにするため、これと相互作用する因子を探索した。 本年度は前年度にyeast two hybrid systemでのスクリーニングにより得られた因子のうち、アデノウイルスE4の転写調節を行う細胞性転写因子p120^<E4F>のRFX1活性に及ぼす影響を検討した。HeLa細胞においてRFX1により転写抑制を受けるMAP1A遺伝子プロモーターに対し、p120^<E4F>を過剰発現させるとその転写亢進が認められた。p120^<E4F>はRFX1のDNA結合領域を含む部分に結合することが前年度に判明していたため、この転写亢進作用は転写抑制作用を有するRFX1がDNAに結合するのを阻害する可能性が考えられた。このためクロマチン免疫沈降法とRFX1-GAL4 DNA binding domainキメラ蛋白を用いたレポーターアッセイを行ったところ、p120^<E4F>の過剰発現はRFX1とDNAの結合には影響を及ぼさず、またp120^<E4F>による転写亢進作用にRFX1自身のDNA結合の有無は関係しないことが明らかになった。さらにこの転写亢進がRFX1による転写抑制をうち消すもの(脱抑制)なのか、これとは独立した転写亢進作用なのかを明らかにするために、種々のRFX1部分クローンとGAL4 DNA binding domainとのキメラ蛋白の転写調節機能に対するp120^<E4F>の影響をしらべたところ、p120^<E4F>はRFX1のB、Cドメインが有する転写抑制作用をうち消す(脱抑制する)ことが明らかとなった。またRFX1は細胞増殖核抗原(PCNA)の転写調節に関与することも知られているが、PCNAの転写はアデノウイルスE1Aにより活性化することが知られる。p120^<E4F>はE1Aによりリン酸化修飾を受けることが知られ、PCNAプロモーターに対するE1Aの活性化作用はp120^<E4F>を介したRFX1による転写抑制を脱抑制するという仮説を立て、これを検証するレポーターアッセイを行った。この結果、前記の仮説を支持するデータを得た。
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Research Products
(3 results)