2003 Fiscal Year Annual Research Report
筋肉細胞を変異させる旋毛虫由来物質の分子生物学的解析と宿主細胞への作用機序の解明
Project/Area Number |
15590366
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
長野 功 岐阜大学, 医学部, 助教授 (40283296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
呉 志良 岐阜大学, 医学部, 助手 (90313874)
高橋 優三 岐阜大学, 医学部, 教授 (80094580)
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Keywords | 旋毛虫 / 遺伝子発現 / シスト形成 / 分泌・排出蛋白 / nurse cell / マイクロアレイ / ミトコンドリア / アポトーシス |
Research Abstract |
Trichinellaは多くの生理活性物質を食道腺より分泌し、シスト形成(nurse cell形成)並びにその維持を行っているが、T.spiralisのように典型的なシスト形成を行う種とT.pseudospiralisのようにシスト形成が不完全な種が存在する。このようなTrichinella種間の病態の違いを解明するために、シスト形成に最も重要な役割を担っていると考えられているT.spiralis蛋白のT.pseudospiralisにおけるホモログをクローニングし、その性状を解析した。その結果、当該蛋白の種間のアミノ酸ホモロジーは低く、また、糖鎖修飾の違いによると考えられる分子量の差が認められ、それらがTrichinella種間の病態の差になっている可能性が示唆された。また、Trichinella感染筋肉細胞の組織学的な検討を行ったところ、T.spiralisではsatellite cell由来のnurse cellと感染筋肉由来のnurse cellが融合してシスト形成を行うのに対し、T.pseudospiralisでは両細胞は融合せず、そのためにシスト形成が不完全にとどまることが示唆された。 以上のようなTrichinellaによる筋肉細胞変異にどのような宿主の遺伝子が関与しているのかについて、マイクロアレイを用いて検討し、その結果に基づいて、経時的に、筋細胞分化に関する遺伝子およびアポトーシスに関する遺伝子の発現を検討した。その結果、これらの遺伝子の発現はnurse cellの形成と密接に関連していることが示唆された。 一方、ミトコンドリアのアポトーシス関連遺伝子は、シスト形成時にnurse cell内で発現される。アポトーシス関連因子のうち、アポトーシス誘導因子は感染筋肉由来のnurse cell内で発現されアポトーシスを起こすが、アポトーシス抑制因子がsatellite cell由来のnurse cell内で発現され、シスト形成および維持を行っていると考えられた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Boonmars, T., Wu, Z., Nagano, I., Takahashi, Y.: "Differences and similarities of nurse cells in cysts of Trichinella spiralis and T.pseudospiralis"Journal of Helminthology. (in press).
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[Publications] Boonmars, T., Wu, Z., Nagano, I., Takahashi, Y.: "Expression of apoptosis related factors in muscles infected with Trichinella spiralis"Parasitology. (in press).
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[Publications] Nagano, I., Boonmars, T., Wu, Z., Takahashi, Y.: "Molecular cloning and characterisation of two kinds of proteins in_excretory-secretory products of Thichinella pseudospiralis"International Journal for Parasitology. (in press).