2003 Fiscal Year Annual Research Report
IL-13/Stat6を介したムチン型糖蛋白のシアル化合成過程とその感染防御作用
Project/Area Number |
15590369
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
石渡 賢治 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (00241307)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 ふくみ(内山 ふくみ) 宮崎大学, 医学部, 助手 (90295204)
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Keywords | シアロムチン / 感染防御 / 粘膜免疫 |
Research Abstract |
1、消化管寄生線虫(Nippostrongylus brasiliensis ; Nb)の腸管定着へのシアル化オリゴ糖の作用 マウスがNbを排除する際、腸管内のムチン型糖蛋白の多くがシアル化されてくる.また、Nbを排除した直後のマウスの腸管に再びNbを外科的に移入しても、移入されたNbは定着することができないことを確認した.そこで、シアル酸の付いたオリゴ糖存在下でのNbのマウス腸管への定着を調べた.In vitroおよびin vivoの実験系ともにシアル化オリゴ糖はNbの定着に影響を与えなかった.これはシアル化ムチン型糖蛋白のシアル酸はムチンから遊離した状態(オリゴ糖の形)ではNbの定着に影響を与えないことを示唆する. 2、ムチン産生細胞株におけるムチン型糖蛋白のシアル化合成過程の解析 IL-13誘導性ムチン型糖蛋白の産生亢進およびシアル化の機序を解析するために、アメリカよりムチン産生細胞株の分与を受けた.現在、培養液中にIL-13を添加した際の産生粘液の定量および定性を行っている. 3、シアル酸転移酵素欠損マウスにおけるNb感染防御 IL-13/Stat6を介したムチン型糖蛋白のシアル化とNbの感染防御にシアル酸転移酵素のST3Gal IVが深く関わっていることを示してきたが、その転移酵素を欠損したマウスをアメリカより導入した.このマウスが感受性であれば、「IL-13/Stat6/ST3Gal IV/排除」の自説を強固たるものにすることができる. 今後の研究の展開 1、Nb排除直後のマウスからシアル化ムチン型糖蛋白を分離精製し、一方IL-13存在下でのムチン産生細胞株の培養上清を回収する.これらを前述したin vitro/in vivoの系に用いる. 2、ムチン産生細胞株におけるシアル化合成過程を経時的に解析する. 3、シアル酸転移酵素欠損マウスを用いた解析を行う.
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